• 定年男子のランとマネー

11月13日、インテックス大阪で「働き方改革」に関する講演を2本聴いてきました。

一つ目は、株式会社ワークライフバランス社長の小室淑惠さんです。

二つ目は、日本航空株式会社特別理事の大川順子さんです。

お二人の講演は有料セミナーの中でしたので、資料等の引用や講演の紹介は控えますが、

気になったところを少し書いてみます。

小室さんは、メディアの露出も多く、政府関係の委員などにもたくさん任命されておられるのでご存じの方も多いと思います。

お話は、エネルギッシュで(時間がなかったこともあってか)立て板に水といった感じでした。

小室さんのお話で心に残ったのは、「単位時間当たりの成果」ということでした。

僕たちより上の年代の方は「4当5落」という言葉を覚えておられると思います。

ご存じない方のために少し解説すると、大学入試の受験勉強で毎日4時間しか寝ないで勉強した受験生は志望校に合格するが、5時間も寝てしまうと第一志望の受験に失敗するという比喩ですね。

今の韓国や、もしかすると中国の大学受験生はこんな感じかもしれません。

これは、時間の規制なく何時間でも努力する(反復記憶する)ことが第一に評価されるということです。

実際に、高度成長期には長時間かけて成果を上げることが善しとされました。

「24時間働けますか?」というコマーシャルが流行ったころです。

それが、現在では24時間を仕事に捧げる夫と、そんな夫を家庭で支える妻という構図はほとんど崩壊しています。

僕の周囲でも、たくさんの女性が働いています。

そして子育ても頑張っておられます。

仕事と比べてみて、子育ての一番の特徴は、「時間規制」が効かないということです。

当たり前ですが、赤ちゃんは親のスケジュール通りにミルクを飲み、眠ってはくれません。

また、男性に限りませんが、50代になると親の介護の必要性が表面化してきます。

経験された方は分かりますが、親の介護にも「時間規制」は効きません。

自分の時間を得るために、介護を他人に任せると(多額の)コストがかかります。

そのために、仕事を増やして収入を挙げている方もおられるでしょうね。

これからが「時間規制」が効かない課題を抱えた状態で、男女ともが働いていく時代なのであれば、これまで時間規制のない人が善しとされていた仕事に時間規制の考え方を持ち込んで、単位時間当たりで成果を上げる人を評価するように変えていかねばなりません。

25年ほど前にアメリカに駐在していたころ、「アメリカ人には2種類あるなあ」と感じました。

定時退社が午後6時とすると、「午後6時までのアメリカ人」と「午後6時からのアメリカ人」です。

前者は仕事熱心で集中して働いていました。

時間が足らなければ、早起きして働きます。

「アーリー・バード(早起きの鳥)」という言葉があったくらいです。

後者は「家庭のアメリカ人」です。

配偶者や子供と夕食を共にし、スポーツや音楽を一緒に楽しむ人たちです。

もちろん友人も大切にする、健康的なアメリカ人です。

僕が知っていたアメリカ人は、午後6時で「変身」していたのですね(笑)

彼ら彼女らは、「時間規制」がない時間を過ごすために、仕事ではいつも時間効率を考えていました。

単位時間当たりの成果をどうやって上げるかを真剣に考えていたと思います。

二番目の日本航空の大川さんのお話は、別の意味で新鮮でした。

有給休暇を消化し、残業時間を極小化するために、ITの力を借りて、「ワーケーション」に実現に取り組んでおられます。

「ワーケーション」というのは、「ワーク」と「バケーション」を合成した造語のようです。

仕事もして、休暇も楽しんで・・といった意味かと思います。

僕が注目したのは、徹底したITの活用によって、仕事のやり方が「ノマド」的になっていることです。

「ノマド」というのは「遊牧民」という意味で、オフィスに縛られずに、働く場所を自由に選びながら仕事をすることです。

ノマド・ワーカーとは、例えば喫茶店などでパソコンを広げている人たちですね。

「ノマド」方式で仕事をするためには、従来の勤怠管理(タイムカードや勤務時間表への記入)から自由にならねばなりません。

そしてそのためには、自分で自分を律する「自律」が必要です。

もしも「自律」が不十分ならば、(下手をすると)24時間ずっと仕事のことを考えている生活を送ることになりかねません。

つまり「オンオフ」がはっきりしない生活になるリスクがあります。

日本航空という大会社が、どうやって「仕事中毒」を回避し、「自律」した人材を育成したうえで、「ノマド」的仕事環境を作って成功に向かっているのかは、とても興味があるところですね。

お二人のお話を聞いて、もしも日本が「ノマド」的環境で「単位時間当たりの実績評価」に代わることができたならば、小室さんが言われる女性・障碍者の労働参加だけではなく、

僕たち高齢者の参加余地も広がると期待できそうです。

同年代の人の話を聞いても、長時間は無理だが、短時間の中継ぎやリリーフなら、集中力が持続するので、成果はまだまだ上げられる・・と思っている人は多くいそうです。

「働き方改革」によって、日本人の働き方が、これからどのように変わっていくかが楽しみですね。

もしかしたら、自分もどこかで、何かにかかわれるかもしれないと期待させる講演でした。



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