7月16日から23日までスイスのグリンデルワルドに行ってきました。
7月20日~21日に開催される「アイガー・ウルトラ・トレイル」に参加するためです。
参加形態はツアーにしました。
「奥宮俊祐さんと行く アイガーウルトラトレイル 8日間」です。
プロのトレイルランナーである奥宮さんのお人柄やエピソードについては、ラン友さんたちから聞いていました。
また同行してくれる常田めぐみさんは、大阪のアウトドアショップ「ソトアソ」の契約ランナーです。ご本人曰く「関西の女子ランナーたち(通称おりひめ)から宝塚的な人気を集めている」そうです。
僕のような初めての海外トレイルツアー参加者にとって、2人のプロランナーがいてくれるのは心強いですね。
実際に試走でも、奥宮さん(おっくん)が先頭で飛ばして走り、常田さん(ときちゃん)が
最後尾でみんなの走力や体力などをみながら走るという体制でした。
ツアー代金は、格安とは言えませんが、トレイルランニングと現地を熟知したプロが現地まで同行して実践的な知識を与えてくれるので、付加価値が高くて、安心なツアーと言えると思います。
様々なランナーサポートや写真撮影など、現地でお世話いただいた「やなるん」と「なっちゃん」のご夫婦には大感謝ですね。
4人のプロフェッショナルがチームワーク良く、我々参加者をサポートして頂けるので、このツアーにはリピーターが多く集まります。
今回のツアーで関西から参加したのは7名でした。そのうち2名は現地集合です。自分のマイレージを使うのですが、強制的に同じ飛行機に乗せないところは自由で好いですね。
関西には、101キロを走る「かあちゃん」に随行した、定年直後の「とうちゃん」もいて多彩なメンバーでした。
「とうちゃん」はレース中に一生懸命「かあちゃん」のサポートをしていました。
2ショット写真も沢山撮られていたので、凄く良い記念旅行になったと思います。
関西メンバーのうち4人とは、アイガートレイルの練習のために、6月初めに伊吹山に一緒に登りました。(その時のブログを添付します)
予め知っている人がいるのは心強いですね。
伊丹空港を午前7時50分に飛び立って、成田空港で東京から参加の「おっくん」以下6名と合流しました。他に東京からマイレージ組が1名、札幌から1名の合計16名のツアーです。(ときちゃんは現地集合だったかな?)
チューリヒ空港から送迎車で2時間強かけてグリンデルワルドに向かいました。
ホテルへ到着後に顔合わせの夕食会があり、お互いの自己紹介でツアー中の「ニックネーム」が決まりました。僕はブログのハンドルネーム「セニョール」です。(笑)
(以後は皆さんをニックネームで呼ぶことにします)
関西からのメンバーの中に「としちゃん」がいました。
再生医療関連の研究員のかたですが、出発一週間くらい前にカリフォルニア州での学会で空調が効きすぎて風邪をひいてしまい、咳と痰と熱と下痢に悩まされて参加されていました。
同じくホテルの3階の部屋だったので、話を聞いて手持ちの正露丸糖衣錠を差し上げました。同じく3階の「せいじさん」も手持ちのストッパをあげたところ、漸く下痢が止まって熱も下がり、本番では無事に完走されました。
また来るときの飛行機の中が乾燥していたためか、喉をやられて風邪気味になったかたもおられました。
日本から遠く離れた海外の大会への参加なので、無理して仕事を片付けた方も多いでしょうから、体調管理が大変ですね。(仕事でやむなくキャンセルされた方もおられたようです)
参加者の大会の様子は、それぞれの方がFBに投稿されています。
7月17日は早速試走でした。
試走はこのツアーで重要な部分です。
観光的に言えば、大会で走れない部分や、走れても夜に通過するコースをハイライト的に楽しむという意味があります。
レース的に言えば、高度2000メートルを越える場所でのランニングを普段日本で経験することは少ないので、レースの前に高度馴化して高山病を防ぐ意味があります。
それに、11時間以上のフライトと遠距離異動で固まった身体をほぐす意味もあります。
但し、多少の筋肉痛は残ります(苦笑)
試走の途中には、山の走り方とポールの使い方の講習もあって、なかなかに実践的でした。
(試走はオプショナルツアーなので、別途実費が必要です)
といってもスイスの売り物はやはり抜群の景色ですね。
7月17日はグリンデルワルド(標高1100メートル位)から、ゴンドラに乗ってフィルスト(FIRST)まで上がりました。ここで標高2200メートル位です。
本番ではこれを自分の脚で上がります。最初の関門です。
このゴンドラは、日本のようにつなぎ目でガタガタすることもなく、快適な乗り物でした。
グリンデルワルドからフィルストまで3つか4つの駅がありました。
適当な駅でおりて山歩きが楽しめるようになっています。
高度に馴らしながら歩きたい人には好いですね。
フィルストからバッハアルプゼー(BACHALPSEE)まで走りました。
ここは本番のコースの一部です。
SEEというのは湖という意味らしくて、走っていくと美しい湖に着きました。
ここで思い思いに記念撮影です。
湖面に移ったアルプスの山を背景に、ポーズを決める人、ジャンプする人、冷たい湖に入る人など様々に楽しんでいました。
湖から今回の大会の最高峰であるファールホルン(FAULHORN)近くまで上がりました。
近道を通ったので、そんなに距離は無かったのですが、本番ルートは全く異なって長くて厳しく、登りきるのに大変な苦労をしましたね。(苦笑)
でもあらかじめ見ておいてよかったです。
ファールホルン近くで、スペイン人家族に会いました。
スペイン語で話していると、「ニックネームがセニョールな訳がわかった」という声が聞こえましたね。(笑)
そこから山を下ってボルト(BORT)まで降りました。
これは101キロのコースです。
この辺りでは、ところどころに雪が残っていました。
本番のコースでも、ちょっとした雪渓を行く場面がありました。
はしりながらポールの使い方や、下りのランニングについて一人一人のフォームを見てもらいました。
グリンデルワルドに帰ってきてから、希望者でインドカレーを食べに行きました。
おっくんも一緒に来てくれました。
こうしてみんなが仲良くなっていくのでしょうね。
7月18日は、登山電車に乗ってユングフラウヨッホまで行きました。
標高3000メートルを超す雪と氷の世界です。
氷河の中に作った通路を通って歩くのですが、氷の上なのでツルツル滑りました。
滑らないように手すりが付いているのですが、これは毎年付け替えるそうです。
理由は地球温暖化で氷河が溶けていき、毎年数十センチ沈下しているからです。
氷の国を楽しんだ後は、登山電車でアイガーグレッチャー(EIGARGLETSCHER)まで戻って下車し、アルピグレン(ALPIGLEN)まで走りました。
ここは101キロの参加者が夜に通るコースです。
自分が夜中にどんなところを走るのかを見ておくのは重要ですね。
このあとは装備必携品の検査と誓約書の提出です。
スイスでは、山はだれでも自由に登れて登山届も不要ですが、すべては自己責任になります。
「登れる自信のある人が登る」ことが原則です。
そういう意味も含めた誓約書ですが、中身を読まないでサインしました(笑)
7月19日は、希望者でインターラーケンに降りました。
僕は、大会前にひいた風邪が完全に治っていなくて、体調管理のためにホテルでのんびりすることにしました。
午後のひと時を、ホテルのベランダから静かな風景を見ながら、日本から持参した小説を読んで過ごしました。
翌日の大会を前にして、集中できたので、とても良い時間でしたね。
次回は大会当日の様子を書く予定です。
尚、写真提供は@funswiss_film_unt_natur_swissです。