9月14日、京都国際会館で開催された、鎌倉投信受益者総会に参加しました。
京都国際会館に行くのは本当に久しぶりでした。
仕事で行ったこともありますが、今は無くなった「東山三十六峰」というトレイルラン大会
のスタート地点がこの近くだったような記憶があります。
地下鉄「国際会館」駅から京都国際会館までは直結になっていて、通路を上がると
「鎌倉投信受益者総会」の看板が立っていました。
会場入り口で受付をして、会場に入るとすでに沢山の人が集まっていました。
入り口には、鎌倉投信の鎌田社長が立っていて、来場者を迎えてくれました。
会場の入り口近くは16社のブースが設けられていて、各社の社員さんたちが、
投資家たちに自社のビジネスや会社内容の説明を行っていました。
投資家の皆さんも、商品製品の質問だけではなく、事業計画や財務内容などを聞くので
おそらく社員さんたちも相当勉強したと思います。
中には、社長さんが来ているブースもあって、熱意を感じましたね。
鎌田社長のスピーチによれば、受益者総会はいつも横浜で開催していて京都は5年ぶりとのことでした。
関西在住の受益者3000名に、鎌田社長が自分でメールを送ったと言っていました。
私もそのうちの一人で、参加を迷っていたのが、鎌田さんからメールが来たので、京都まで
行ってみる気になりました。
私が鎌倉投信の受益者になったのは、2021年3月です。
ちょうど勤務していたスタートアップ企業の解散が決まったころですね。
スタートアップに勤務しながら、将来の日本のために、多少でも役に立つ仕事が出来れば
よいなあと思っていたのが、会社が解散となったので、何かほかにお役に立てることはないかなと思っていました。
いろいろ考えて、将来の日本のためになる会社に投資をすることにして、出会ったのが鎌倉投信です。
鎌倉投信の投資先は、私では見つけられないような会社であり、小規模企業が多いので
多分自分では投資しない会社です。
それで鎌倉投信に手数料を払って、自分の代わりに投資してもらうことにしました。
総会は、鎌田さんスピーチから始まって、資産運用部責任者から運用成績などの説明のあと、
新規買い入れ銘柄と売却銘柄および問題銘柄の説明がありました。
新規買い入れ銘柄は4社で、そのうちの1社の社長さんが後ほど登壇されました。
売却銘柄は1社で、将来のため上場廃止を決断したので、泣く泣く売却したそうです。
問題銘柄は、相当世間を騒がせた会社なのですが、この会社への投資方針について説明が
ありました。
続いて、鎌倉投信開設初期からの投資家3名が登壇しました。
驚いたのは、3名のうち2名が鎌倉投信の投資先に転職して現在も働いているということです。
詳しい話は省略しますが、鎌倉投信が選択した会社ならば「よい会社」に違いないので
その会社で働きたいと思って転職したようです。
ほかの一人も、投資を始めた当初は看護師だったのが、鎌倉投信が切っ掛けで、大学院に進学して、今は社会活動をおこなうNPO法人で働いているそうです。
受益者総会は、投資家同士が知り合う場でもあるので、3人のお付き合いは長そうな感じですね。
昼食休憩を挟んで、2社の社長さんが登壇されて、資産運用部長との鼎談が始まりました。
テーマは「技術力」
2社ともに社長さんは技術畑のご出身で、地方の会社ながら圧倒的な技術的強みを持っています。
その技術力を培ってきた歴史や、社長の考えなどを、飾らずにそのまま投資家に向けて話していたのが印象的でした。
休憩を挟んで、次は同じく投資先2社の社長さんの登壇。司会は鎌田さんです。
テーマは「人」
1社は結婚式場の会社で、コロナ禍で売り上げが全くゼロになったときなどの従業員との話。
もう1社は、「社員には、常に考える、ことだけを要求している」という会社。
それぞれの社員との接し方や、経営の基本的な考え方はユニークで面白かったですね。
最後は鎌田さんのスピーチでしたが、ここで昨年入社した副社長の紹介がありました。
鎌倉投信創業前に一緒の会社で仕事していた部下だった人です。
鎌倉投信はアクティブ投信なのですが、ホームページに載せてある投資方針をみると
ほかのアクティブ投信とは少し(大きく?)異なっていることが分かります。
投資方針:投資はまごころであり 金融とはまごころの循環であるという鎌倉投信の投資哲学のもと、売却を前提とせずに「いい会社」が「いい会社」である限り応援し続ける(投資を継続する)という一貫した投資姿勢を堅持しつつ、目標とする収益率をできるだけ少ないリスク※で達成することを目指します。
続いて運用目標:目標リスク年率10%以下、目標リターン年率4%以上
運用目標の根拠:一般的には、市場全体を上回る、もしくは連動することを目指します。しかし、「結い 2101」の目標は、そのどちらでもありません。
まず、「目標リスク年率10%以下」について。
これは、値動きのブレ幅のこと。国内株式市場全体の年率リスクは20%程度。その半分に抑えることで、長期にわたり取り組みやすい安定感に繋がります。
そして、「目標リターン年率4%以上」について。
長期的なリターンの源泉は、投資先企業の成長にあります。投資先企業の業績成長が十分かどうか、組入れ前、組入れ後も、常に見極めています。短期的にはブレも出ますが、投資先企業の成長により、長い目で見てお返しできると考えるリターン水準です。
「結い2101」を知る | 鎌倉投信 (kamakuraim.jp)
簡単に言うと、投資信託のうちで、パッシブ投信は、たとえばTOPIXに連動して、手数料分だけ低い運用を行います。したがって、パッシブ投信の選択基準は、(ほとんど)運用コストがすべてです。
アクティブ投信は、投資方針に従ってファンドマネージャーが銘柄を選択するので、調査費用、人件費など様々なコストが負荷されます。したがって運用成績は、コストをかけた分だけ優れた結果を期待されます。
多くのアクティブ投信は、(日本株の場合)TOPIXや日経平均を上回ることを運用目標
(ベンチマーク)にしています。
鎌倉投信の運用目標は、固定値の4%以上を目指すことを掲げています。
その代わりリスクを市場の半分に抑えることで、受益者(投資家)に安心してもらおうとしています。
鎌倉投信の一番の特徴は、ほかの投資信託のように運用成績ではなく、銘柄選択にあります。
銘柄選択の判断基準は下記の3つです。
3つの価値基準
社会価値
本業を通じて社会課題を解決する会社かどうか、本業を通じて社会に貢献する会社かどうか
「結い2101」の受益者が応援したいと思える会社かどうか
個性価値
会社固有の独自性(個性)・優位性・創造性
3つのテーマと9つの評価視点からなる
評価項目(人・共生・匠)を見る
持続的価値
会社が存続する上で、なくてはならない基礎的要素を持つ
長期にわたり持続的に会社を経営する力と財務的な力
これらの価値基準に従って、現在75社に投資しています。
運用残高は500億円程度なので、ほかの大きな投資信託とは規模は劣りますが、たぶん
他者が投資しない会社に、厳選して投資しているので、10年後くらいに大化けするかもしれませんね。
それも投資の一つの楽しみ方だと思います。