年金の受給について、ネットをみると繰り上げや繰り下げの議論が華やかですね 笑
私は、繰り上げ受給と繰り下げ受給の、メリットとデメリットを理解していれば、各人の
事情に合わせて選択すればよいと思います。
最も普通に考えれば、65歳で受給すればよいと思うのですが、デメリットを理解したうえで、繰り上げ受給を選ぶ人、毎月0.7%確実に価格が増加する投資と思って、繰り下げ受給を選ぶ人が、一定数いても全く不思議ではありません。
そもそも公的年金は、民間の保険会社などが提供する個人年金保険のような貯蓄と異なり、国が提供する保険です。
従って、一般の生命保険や傷害保険と同じく、死亡や災害などの保険事故が発生した時に
給付されるものです。
では公的年金の保険事故とは一体何でしょうか?
それは「長生き」です 笑
人間はいつまで生きるか、本人には分からないので、貯蓄の他に、死ぬまで一定のお金を
国が給付してくれる仕組みが公的年金です。
公的年金を保険と捉えれば、何歳まで生きないと損とか、何歳から得になるとかの議論は
前提が間違っていることになりますね。
極めて単純に言えば、65歳まで生きたら、(保険料を支払った金額の相応分)死ぬまで国から
一定額のお金がもらえる仕組みです。
では、65歳以前に死んだらどうなるのか?
保険の仕組みは、滅多に起こらない保険事故にみんなで備えることですので、この理屈でいえば、65歳以前に亡くなった人が負担してきた保険料は、平均寿命以上に生きる人へのサポートにまわります。
現代は、平均寿命以上に生きる人が増えているので、(長生きが、稀なことではなくなってしまい)
将来にわたって年金財政が維持できるのかが課題になっています。
しかし、この課題を解決するために5年ごとの財政検証をやっているわけですから、この財政検証の分析結果を、我々も関心を持ってみる必要があります。
話を戻して、平均寿命よりも早死にした場合の損失が、どうしても納得できない、我慢できないという人がいるようです。
自分のお金は自分で使いたいということでしょうね。
現在の公的年金の仕組みは、現時点での公的年金受給者の年金は、基本的に現役世代の保険料が原資ですから、現役世代が年金受給者になる時には、その時の現役世代が支払う保険料が年金の原資になります。
従って、自分のお金を自分で使いたい方は、年金制度を根底から変えるか、年金制度から離脱することになります。(日本国民であり続けるならば、年金制度からの離脱は法律違反ですけどね 笑)
最初の話に戻ると、公的年金は60歳から75歳までの間に受給可能ですから、お金が早めにほしければ、(減額やその他のデメリットを理解したうえで)年金の繰り上げ受給をすればよいと思います。
また、65歳以降も仕事を継続して、十分な生活費を稼げるのであれば、(加給年金などのデメリットを理解したうえで)年金の繰り下げ受給を行なえばよいと思います。
自分がいつ死ぬかは誰にもわからないのですから、あくまで損得にこだわるのであれば、
それも含めて自分が分かる範囲で判断して、実行することしかできませんね。
死ぬ直前に自分の決断に満足できるか、後悔するかは、寿命次第でしょう
つまり、損得にこだわる人は、人一倍健康に気を付けて、長生きに努めることになりますね 笑