28年住み慣れた奈良を離れて、大阪市内に転居しました。
奈良の住環境も、住み慣れた家も、大変快適で何の不満もないのですが、いろいろ考えて
引っ越すことにしました。
転居の直接のきっかけは、我が家に約10年住みついた猫のエルが、昨年8月に事故で死んだことです。
あと5年以上は生きると思っていて、猫の最後を看取ってから、自分たちの老後生活を
考えようと思って、自宅の水回りのリフォームや、外壁・屋根の塗装をしたのですが、
思いがけずに早く死んでしまいました。
我々夫婦も高齢になり、今からもう一匹猫を飼っても、最後まで見届けてやれるか分からないので、
ペットを飼うことは諦めて、想定よりも5年早く自分たちの老後生活を考えることになったわけです。
新居の条件その1は、「車のいらない生活」です。
奈良の自宅に住み続けるには、自動車の運転が必須だったので、転居するならば、自動車を
運転しなくても良いところが条件になりました。
そうなると、駅近で便利な立地のマンションです。
新居の条件その2は、できれば土地勘のあるところ。
我々夫婦は、ともに大阪市内出身なので、大阪市内で探すことにしました。
自宅近くの奈良のマンションも見に行きましたが、生活するには自動車が必要だったので、
目標を大阪市内に定めたのです。
夫婦の出身は、2人ともJR環状線周辺。
JR環状線で駅近となると、資金の問題が出てきます。
ところが、一般に住宅ローンの借り入れ条件は、70歳までに借り入れて、80歳までに完済。
オマケに、私は働いていると言っても、契約社員なので貸してくれるところがあるかも不明。
したがって、新居の条件その3は、老後資金取り崩しの範囲内で買える物件。
幸いなことに、不十分ながら夫婦共稼ぎで、既存のローン返済は定年までに終了しており、
生活は年金と労働収入で賄ってきたので、おかげさまで退職金の大部分が残っており、それに多少の
資産運用益を載せた金額で探すことにしました。老後資金は、現在の自宅の売却代金を当てます。
限られた資金で、大阪市内のどこかの駅近のマンションを探すとなると、居住性つまり広さが犠牲になります。
今年の初めから探し出して、いくつか物件を観ましたが、やはり狭い!
ここでの決断は、大々的な断捨離作戦。
狭い住宅に入居できる程度まで、自宅にあるほとんどの物を捨てることにしました。
つまり、荷物の断捨離とマンション探しを並行して行ったわけです。
荷物の整理は、私の両親の介護をしているときに、ある程度は経験済ですが、自分たちの
愛着のある思い出は、そう簡単に捨てられません。
結婚式、子供の誕生、友人たちとの楽しい思い出、旅行の記念など、それまですっかり忘れていた思い出が、次から次へと思い返されました。
でも考えてみれば、今回引越しをやらなければ、これらの写真や思い出の品々は、物置やアルバムに眠ったままで、人生の最後に、見られることもなく、ゴミとなって捨てられていた可能性が非常に高いわけです。
身体も心もしっかり、はっきりしている時に、思い出として思いかえされ、取捨選択されて
残すものは残した方が良かったように思いますね。
といったわけで、資金と立地と思い出の数量の妥協の結果として、大阪市内に新居を購入することになりました。
マイナカードの導入で、引っ越しは楽になっただろうと思っていましたが、我が家に関しては
大きな間違いでした。
就学や転勤の季節だったこともあって、区役所の転入は5時間待ち。
住所変更届の提出先がいっぱいあって、リスト化しておかないと漏れてしまいそう。
引越し屋さんとの相談、引っ越し荷物の荷造り、不動産屋さんとの自宅売却契約、
墓仕舞と仏壇および家財の処分など、次から次へとやり続けて、ようやく引越しが完了です。
現在の感想は、「動けるうちに決断して、やっておいてよかったなあ」ですね。
あと5年、10年遅かったら、とてもこんな風には行かなかったでしょう。
先日、引っ越しの件をトレイルランニングのコーチに話したら、「大阪市内に引っ越して
便利になったら、今まで出られなかった大会にも出場できますね」と言われました 笑
新しい大会にでて、活躍できるほど元気だったら良いのですけどね 苦笑
でも、せっかく新しい生活を始めるのですから、大会は分かりませんが、新しい土地で
夫婦で素敵な楽しみを見つけたいですね。