3月3日の自治会役員会で、令和5年度最終の役員会を終了。
あとは、4月初めの定期総会で、後任候補が承認されれば、1年間の自治会役員経験は
終了します。
1年前に自治会会長になった時は、どんなことになるのかなと思いましたが、ほかの7名の
役員方が非常に協力的で、特に何の問題もなく、1年間の運営を終えることができました。
厚く感謝です。
しかし、1年間会長職を務める中で、地方の自治会での、役場と住民の関係性について、
何かと考えることが多かったですね。
我が町広陵町は、大阪から約30キロ離れていて、大きく分けて言うと、新興住宅地に住んで、毎日大阪圏へ通勤する住民と、在来地区に昔から住んでいる住民に分かれます。
近辺のいくつかの町をまたがって、馬見古墳群が形成されていますが、この馬見の名前は、
聖徳太子が法隆寺を建立するときに由来すると書かれた書物もあります。
(我が家から法隆寺まで、約9キロ)
つまり、古い歴史の地域と、新しい地域が混在していて、町の総人口は増加傾向ですが、
在来地区は高齢化で人口減少、空き家増加、新興地区は家屋の新築や建て替えが進んでいる町です。
町役場は、41ある自治体の自治会を通じて、行政をおこなっているのですが、在来地区では人口の減少、新興地区では自治会への非加入者増加で、行政から零れ落ちる世帯や、
行政の手が届きにくい世帯の増加に、頭を悩ましているようです。
かつて新興住宅地の開発が進み、土地が売れたころは、町の税収も豊かだったのでしょうけれど、開発が一段落して、新興住宅地も成熟し始めると、財政的にも人員的にも、苦しい行政になってきている感じがしますね。
今年1月に亡くなった、経済コラムニストの大江英樹さんは、定年退職後の地域デビューについて、安易に考えない方が良いと警鐘を鳴らしていました。
大江さんは、地域には奥さん方が根を張っていること、既成秩序ができているので、定年まで組織人だった会社員が、そのままの感覚でいきなり参加すると、思わぬ反発を受けることがあるとのご意見でした。
私が1年間、自治会長をやってみた感じでは、(短期間だったからかもしれませんが)、
ご婦人方の反発や、地域のヌシの影響を特に感じることはありませんでした。
しかし、地域をまとめていこうとする人と、(恐らく)役場の職員が相談して、いろいろな
組織や会合を、公式非公式に作っていこうとする雰囲気は感じましたね。
今年度の自治会役員と次年度の役員方をみていると、新興住宅地域なので、子育て世代の
30代から40代が半分強、60代から70代前半が半分弱といった構成です。
子育て世代は、平日は仕事で、休日は子供と過ごすので、自治会活動は限られた範囲になります。
昔だったら、子育てを終わった60代が、地域のリーダーシップをとるのでしょう。
問題は、現在は70歳前後でも、仕事を持っている人が多くて、地域のリーダーが期待するほどには、皆さんは付いてきていない感じがしますね。
地域のリーダーになる人が、フォロワーがいなくて、地域で浮いていくような気がします。
70代も後半になると、身体も言うことを聞かなくなるので、自治会などの活動ができるのは、70代前半くらいまででしょうけれど、ギリギリまで仕事をして、気が付いたら75歳ということになると、ますます地域の自治会活動は難しくなっていく気がします。