定年を迎える前の学習について、覚えていることを書いてみます。
60歳の定年を数年後に控えていた時に考えたことは、定年後の人生を豊かに楽しく
過ごすためには、現役の間にそのための準備をしておくということでした。
しかし準備といっても、まずやりたいことを決めねばなりません。
私が考えたのは、資産運用です。
老後の人生に先立つものは、まずお金ですからね。
そのためには、投資理論なども重要ですが、基礎となる国際情勢を学習することにしました。
いろいろ探すと、放送大学大学院で国際政治の学習ができそうなので、応募してみました。
テーマは、会社員時代に5年間駐在したスペインの政治史です。
入試を受けて、運良く合格して、入れていただいたのが、高橋和夫教授のゼミでした。
高橋先生は、中東政治がご専門で、スペインのことはよくわからんけど、押し付けられた
などと言われていましたが、偶然、私の大学の先輩というご縁もあって、親身になって
ご指導いただきました。
ゼミ生は、外務省・自衛隊・JACA・地方公務員・メディア関係者など、とても多彩で
沢山の刺激を頂きました。
2年間の修士課程を終えて、修士論文を研究ノートとして、大学院の論文集に掲載頂いたのは、良い思い出です。
修士課程を終えるころに、ちょうど勤めていた会社の基幹システムの入れ替えの担当になったのですが、旧システムから新システムへのデータ移行が上手くいかないことがありました。
システム会社と話して、いろいろやって解決したのですが、その時に、国際情勢の学習の
次はデータベースを学習しようと、同じ放送大学大学院の情報学を受験しました。
その時が情報学プログラムの第一期で、ゼミ生は5名。
システムエンジニアが2名。(うち1名は、のちに他大学で博士号を取得)
警察関係が1名。(放送大学院博士課程に進学)
大学の事務職(大学の情報化担当者)と私。
第一期でもあり、ここでも多彩で有能な人が集まるゼミになりました。
指導教官は、主任が柳沼先生、私の論文指導は苑先生でした。
ゼミでは、各自のテーマが異なるので、ゼミの発表は聞いていてもわからないことも
ありましたが、先生方、並びにゼミ生にいろいろと教えてもらって、何とか2年間の
修士課程を終えました。
ここでも先生方のご厚意で、修士論文を研究ノートとして、大学院の論文集に掲載
頂きました。
また、放送大学奈良支部で修士論文の研究発表会に参加したのも、懐かしい思い出です。
その後、情報学の基礎が不足していると思い、統計学・数学などを、科目履修生として
1年間在籍して学習しました。
そののち、会社を退職してから、フィナンシャルプランナーの資格を取得し、
資産運用のアドバイス業務をはじめようとしていた時に、大学時代の友人の紹介で、
スタートアップ企業の管理部を手伝うことになりました。
この会社は、研究開発をシリコンバレーでやっていたので、仕事の半分は英語でのやり取り、
あとの半分は、取締役会・株主総会の運営、経理・総務・知財などを、何人かで分担して
担当していました。
株主や研究者向けのメールの文章を、英語や日本語で論理的に書くことは、国際政治ゼミの論文演習が役に立ったと思います。
また、ZOOMを使っての会議、そのほか情報機器の活用は、情報学ゼミで多少の基礎が
あったので、何とかやっていけたのでは無いかと思っています。
この会社は、残念ながら資金難で解散して、今は、フィナンシャルプランナーとしての
相談業務を細々とやりながら、地方自治体の海外関連事業の相談員をやっています。
ここでも、国際政治の知見は役に立っています。
定年後を見据えて、準備のために放送大学に在籍して学習したことは、予想通り
あとの人生で、役に立っているようです。