9月18日、京都府京丹後市(日本海側)で開催された「丹後100キロウルトラマラソン」
の60キロの部に参加しました。
当日は台風14号の影響で、南の暖かい空気が流れ込み、午前9時の出発時には、すでに
32~3度という暑さ。(温度計は35度だったそうですが、日向にでも置いたのでしょう 笑)
実は、この大会に参加するのは、3回目です。
前回は7年前、前々回は8年前で、たしか還暦記念に走った時でしたね。
2回とも100キロに出て、完走しました。
その2回目の時に、宿泊したホテルが同じだった人と、FB友達になりました。
それ以降で会ったことはないのですが、彼はその後も、毎年丹後100キロを
完走していました。
昨年11月に心臓の手術をして、今年5月のKobo Trailを完走した時に、
「手術のリハビリ完了!」とFBに投稿したら、
「リハビリ完了したなら、久しぶりに丹後ウルトラを走りませんか?」とのお誘いが。
100キロを完走する自信はなかったので
「60キロならエントリーします。でも100キロとはスタート地点も前泊地も違うから
会えませんけど」
「ゴールまでの15キロは100キロと60キロが合流するので、そこで会いましょう」
(そこで会えたら、まさに奇跡やな 笑)
大会前日は、小さな漁村の小さなホテルに泊まりました。
宿の前に入り江があって、落ち着いた静かな場所でした。
翌朝、透き通った綺麗な海を見ていると、「サザエを採るな!」の看板の左下に
「クマに注意!」の写真が 笑
宿の人に、「きれいな海ですね」というと、
「明日は台風で、波が堤防を越えて、きっと大変なことになってますよ。
大会は今日で良かったけど、台風が南風を運んできて、暑いと思います」
宿の車で、出発地点まで送ってもらうと、既に灼熱の感じ。
30℃は軽く超えていそうでした。
スタート地点で写真を撮ってもらうと、1時間くらい、何もすることなし。
太陽の直射を浴びていると消耗するので、ひたすら日陰を探して、座っていました。笑
60キロの参加者は600人弱でしたが、考えることは皆さん同じで、日陰はすごい競争率。
ようやく午前9時になってスタート。
走り始めてすぐに、この異常な暑さをどうやってしのぐかを考え始めました。
私のウルトラの走り方は、「積極的に歩く」です。
フルマラソンを超える距離を、ずっと走り切るのは不可能なので、
どうせ歩くなら、最初から計画的に歩いて、制限時間内にゴールすることが基本プラン。
もう一つは、心拍数140超えくらいまでに抑えて走ること。
前半に心拍数を上げ過ぎると、体力を消耗して、後半バテるからです。
手術をしてから、以前のように、自分の心臓に全幅の信頼を置くのが怖いので、
やや腰が引けた対応になりますね。
心臓の専門医は大丈夫というのですが、なんとなく
「何かあったら、また手術しましょう」
というように聞こえます。(気のせいかな? 笑)
走り始めて、少ししてから、手元の腕時計で心拍数を測ってみました。
表示は、137。
(あれっ??)
2回目は、139。
(おかしいな、いつもは125くらいなのに)
どうやら暑さのせいで、心拍数の平均が10程度上昇しているようです。
つまり、少し走ると、すぐに145くらいまで、上がってしまいます。
(これはまずい。いつもは145くらいになったら歩いて、心拍数を落とすのに、
これでは走れない)
大会前に考えていたペースは、1キロ8分、10キロで80分のペースです。
これは、エイド滞在時間込みの、オールインなので、このペースを守るためには
1キロ7分~7分半で走る必要があります。
しかし、この暑さで、予定のペースで走れば、かならず後半失速します。
そこで、目標を切り替えました。
当初は、制限時間9時間半を8時間で走る予定でしたが、無理をせずに9時間に落としました。
初めの10キロは、目標切り替えとペースの調整を考えながら進んだので、あとでラップを見ると、エイド込みで62分でした。
早すぎますね。
15キロくらいから、コースの山場である七竜峠越えです。
標高150メートルくらいを、上り下りするだけなのですが、暑いと結構堪えるところです。
7年前は、軽快に走り抜けた記憶があります。
このコースは、七竜峠以外にも、結構アップダウンが多いコースです。
普段なら、なんということもないのですが、走るとすぐに心拍数が上がるので、
基本、登りは歩き、下りは走ることにしました。
トレイルランをやっているおかげか、私の上り坂を歩くスピードは、他のランナーよりも
多少早いようです。
いくつかの上り坂で、前を行くランナーを何人も抜いていきました。
エイドは、4キロ置きに設置されていて、水・ポカリ・コーラなどとともに、軽食が
おいてあります。
うどん・バラ寿司・つみれ汁・柿の葉寿司など、全部のエイドに寄って、補給と給水に
努めました。
給水は、おそらく全部で5リットル以上は飲んだと思います。
慢性の腎臓病なので、発汗量を補うだけの水分を補給しなければ、腎臓に負担がかかります。
15くらいあったエイドのすべてで、頭と足に水をぶっかけて冷やすこともやりました。
男性は豪快に水をかぶり、女性はエイドで氷をもらって、帽子に入れて冷やしていました。
腎臓の専門医の指示で、普段は減塩していますが、この暑さで塩分不足になると、動けなくなったり、足が攣るので、口の中で塩飴をずっと嘗めていました。
次回検査は11月なので、それまでには平常値に戻ることを期待します。笑
3年前の血液検査で、カリウム値が高かったので、医者にバナナを禁じられ、
ずっと食べていなかったのですが、あるエイドで他に食べ物が無かったので、
3年ぶりにバナナを食べました。
美味しかった 笑
ランのペースは、20キロまでは1キロ8分のペースを守って、多少貯金があったのですが、
七竜峠を越えた30キロから遅れだしました。
サウナの中にいるような異常な暑さで、さすがに心折れそうになって、第一関門の33キロでDNFしようかな、とか考えて、頭の中で計算してみると、ゆっくりペースでも制限時間5時間の少し前に関門に到着しそうでした。
(とりあえず第一関門を目指そう)
実際には、第一関門制限時間の30分前について、バスで収容される人を何気なく見ると、
疲れてつまらなそうでした。
(ここでリタイヤすると後悔しそうだな)
第一関門で10分休んで、そのまま第二関門に向けて出発しました。
すると、太陽が雲に隠れて、冷たい風も吹いてきて、心なしか気温も下がったように感じました。
前半抑えて走ったおかげか、足も動きました。
痛みもなし。
相変わらず、上りは歩いて、下りは走ることを、こまめに繰り返して、足の疲労を抑え
ながら、第二関門の45キロ地点に到着。
第二関門閉鎖1時間前についたので、先ほどよりも少しスピードアップした感じですね。
第二関門を過ぎると、100キロランナーとの合流です。
(さて、友達とどうやって会うのかな?)
と考えながら、周囲を見回しますが、該当するゼッケンは見当たらず。
(彼は速いから、きっと先に行っているのだろう)と思って、
ゴールを目指すことにしました。
この辺りからは、ずっと一緒に来たランナーたちと、走って追い抜いては、歩いて抜かれの
繰り返しです。
最後に踏ん張って走った人が、多少早くゴールできるのですが、私の目標は
制限時間30分前の午後6時(9時間)なので、周囲にひかれて急がないで、
一歩ずつ着実に進むことにしました。
あとでラップを見ると、少しずつですが、スピードが上がっていました。
少しは頑張って走ったようです 笑
多少余裕が出てきたので、途中で足を痛めて座り込んでいる女性に、声を掛けました。
「大丈夫ですか?」
「足が熱くて」
(筋肉の炎症かな?)
「次のエイドで、思い切って足に水をぶっかけて冷やしては?」
「はい、やってみます」
そのまま走り去って、次のエイドで女性が追いついてきたので、もう一度声をかけて
先に行きました。
しばらく行って、下り坂を走っていると、後ろからサーッと抜いていく女性がいました。
あの女性です。
「水を掛けたんだねー」
「元気出ました!ありがとうございます!」
少し振り返って、爽やかな笑顔を見せて、走り去っていきました。
ゴールが近づいてくると、沿道の応援も熱が入ってきます。
椅子に座って応援してくれる高齢の方に、できるだけ手を振って応えるようにしました。
この大会には、中学生や高校生の若いボランティアもたくさん参加しています。
朝早くから、ゴール時間の午後6時半まで、ずっとエイドで給食・給水のサポートして
くれているのには、感謝の一言です。
相変わらず、友達と会えないままに、8時間50分28秒でゴールしました。
修正した目標タイムの10分前でした。
順位は60キロ男子完走者237名中、156位。
60キロの部の出走者414名だったので、完走率57.2%
脱落者が多い中で、68歳の前期高齢者にしては、まずまず頑張った方でしょう 笑
ちなみに、100キロ男子の完走率は、なんと43.3%。半分以上が脱落です。
大会全体の出走者は、1960名で完走者は940名。
完走率は48%と、かなり低調だったようです・
ゴール付近に友達が見当たらないので、ゴール写真を撮ってもらい、FBに投稿して
気付いてもらうことにしました。
私はバスの時間があるので、投稿したら、すぐに荷物を受け取って、更衣室で着替えに行きました。
しばらくすると、FBに反応が。
なんと、友達は私より遅れてゴールしたそうです。
やはり100キロの部はきつかったのですね。
残念ながら、友達を探しに行く余裕も時間もなさそうだったので、
また会いましょう!
のメッセージと共に、バスに揺られて大会会場を後にしました。
3年ぶりのウルトラマラソンは、反省点も多かったのですが、現在の自分の実力を
知ることができて、とても有意義でした。
誘ってくれた友達に感謝するとともに、どこかで再会することを楽しみにしています。