8月29日、大江英樹さんプロデュース、個人投資家エルさん講演のセミナーに行ってきました。
セミナーは有料で講師のエルさんは匿名希望なので詳細は紹介しませんが、心覚えのために、いくつかの気づきを記しておきます。
セミナー参加のきっかけは、大江さんの近著「あなたが投資で儲からない理由」に
エルさんの著書「米国株投資で1億円」の紹介があり、早速Kindleで購入して読んだからです。
米国株式投資は10年くらい前から個別株とETFを購入しているのですが、
当初はアマゾンやフェイスブックを購入して少し値上がりしたら売却していたので資産価値の上昇を享受できませんでした。
90年代の米国勤務の時は、ちょうどGAFAMが創業・興隆し始めた時でした。
GAFAMとはご縁がなかったのですが、米国の会社に融資することが仕事だったので、支店のアナリストが作成したほかの米国企業の分析資料を嫌というほど読んでいたので、エルさんのお話はよくわかりました。
ただ「お金を貸す」ということと「株を買う」ということは、少し感覚が違うので、
今回のセミナーでそのあたりのズレをすこしでも修正できればと思っていました。
エルさんの書籍と講演を機に、今後の米国株式購入方針と全体のポートフォリオの見直しを行って行きたいと考えています。
エルさんの話は米国株式への投資がテーマだったのですが、
米国株投資のテクニカルな面よりも、エルさんがFIREを成し遂げたことと関連して
「何のために投資するのか?」
「投資に成功してFIREしたあとどうするのか?」
といった、いわゆる定年退職後の会社員の悩みに通じるようなポイントも沢山ありました。
たぶん大江さんの仕掛けだと思いますが、エルさんも「経済的自立」をすることの意味について十分考えておられ、その考えが大江さんと波長が合ったのだろうと推察します。
大江さんは、FIREとは、経済的自立(Financial Independence)をして早くリタイヤする(Retire Early) ことなのだが、世の中の多くの人は、早く退職したいがために経済的自立を急ぐ、あるいは、それに憧れているのではないか? つまり主客逆転であると主張されています。
「現在の仕事が大嫌いで、一刻も早く逃げ出したい人が多いのですね」
というのが大江さんの感想です。
大江さんもエルさんも、FIREするということは、まず経済的自立を成し遂げて、そのあとで早期に退職するか仕事を好きならば続けるかを選べばよいという考えです。
つまりFIREを達成することで結果として人生の選択肢を増やすことが目的なのに
嫌な仕事から逃げることが目的になってしまう人が多い。
エルさんも、FIREの後に自分の人生をどのように生きるかは、あらかじめ
十分に考えておくべきだ というご意見です。
FIREを成し遂げた方のコメントとして重い感じがしました。
もうひとつ、お二人が共通して言われていたのは、FIREしてもしなくても、大切なのは
「支出管理」だということです。
これは単に節約ということではなく、自分の支出に優先順位をつけるということです。
優先順位の高いものには、むしろ思い切ってお金を使うべきで、そうすると優先順位が低いものには必然的にお金が回らないので、自分の人生にとって無駄が省けるということです。
エルさんは例として、生命保険の解約や自家用車を手放すことを上げていましたが、
簡単に言えば、自分の価値観に沿った生活を行ってシンプルライフを実現しようということかと思います。
この点は、私もFPとしてお客様の定年後生活にアドバイスするときに、さりげなくアドバイスするように気を付けている点です。
お客様に自分の価値観の押し売りをしてはいけませんが、お客様にご自身の価値観と
価値観に従った支出の優先順位を考えていただくことは、アドバイザーとして重要な任務だと思っています。
いろいろな意味で示唆に富んだセミナーでした。