ある方とお話していて言われたことがあります。
僕が当たり前と思っていることでも、知らない人がいるので、教えてあげてはいかがですか?
例えば公的年金の受け取り方とか・・・
公的年金の自分に合った受け取り方には、いくつか前提をクリアしておくことが必要です。
・基礎年金と厚生年金を分けて考えます。
⇒この2つは別々の年金の扱いです。繰り下げや繰り上げ受給をするときでも、別々に申請できます。
・厚生年金を65歳受給する場合で、配偶者が年少かつ、一定の条件がクリアできれば、一年あたり約39万円の加給年金がもらえますが、これは厚生年金に付随しているので、基礎年金には関係ありません。
⇒公的年金は2つとも受給を一か月遅らせると0.7%増えます。年間8.4%の元本増加が約束されている有利な投資はほかにありません。加給年金をもらうために厚生年金を65歳から受給開始しても、基礎年金を繰り下げると5年間で42%の元本が増加します。
・基礎年金の加入期間が480か月に足らなくて、年金の満額受給ができない場合でも、65歳までならば、保険料を追加で払うことや、国民年金基金に加入して保険料を振り込むことで、基礎年金を満額受給に近づけることができます。
このような知識を頭の片隅に置いておいて、定年退職後の自分のライフプランと
キャッシュフローを考えておきます。
ライフプランとキャッシュフローといっても、そんなに難しい話ではなくて
・何歳まで働くか?(フルタイムなら年収300万円、週3日なら150万円くらいとか)
・公的年金を何に使うか?(生活のためだけ?娯楽や旅行、趣味などもカバーする?)
などを決めるくらいです。
もしも住み替えやリフォームなどが決まっていれば、もちろん計算に入れます。
例えば、できるだけ長く働いて生活費などは給与で賄い、公的年金は長生きして貯蓄が無くなった場合の保険と考えるならば(これが公的年金の本来の防貧機能です)、できるだけ受給を繰り下げて、死ぬまでの年金受給金額を大きくしておくほうが良いでしょう。
しかし、支払った保険料の元を取ることを考えるならば、何歳で受給を開始すれば、受給額合計が支払った保険料合計を超えるかを計算して受給開始年齢を決めます。
また、「日本国を信用できない」という人がいれば、65歳を待たずに60歳からの受給を考えることもできます。
受給開始年齢が決まれば、年金事務事務所に受給申請をすればよいのですが、考えておいたほうが良いこともあります。(申請用紙は年金事務所でもらえます。聞きに行けばなんでも親切に教えてくれます)
65歳以降に受給する場合は、年間110万円まで所得控除があります。
厚生年金だけの受給だと、かなりの部分は控除枠に収まるでしょう。
それでは生活費が不足するので、さらに厚生年金に加入して働きながら受給する場合には、月間47万円以上の収入(給与+公的年金)ならば、残念ですが公的年金が減額支給されます。(たとえ受給を繰り下げしても、年金を受給したものとして計算されるので要注意です)
1つの形は、厚生年金だけ受給して公的年金控除枠を活用しながら、給与収入は月間30万円程度にすると年金の減額が無いということになります。
多くの人は、自然体で働いてもこのような形になると思いますが。
最後に配偶者の年金受給ですが、配偶者が女性の場合には、一般的に男性よりも年金額が少なくて長生きです。
したがって、家計の状況が許せば、できるだけ年金受給を遅らせて年金受給額を大きくすることで、配偶者が無くなった後のキャッシュフローを確保しておくことをお勧めします。
公的年金の受給方法は、企業年金との兼ね合いなど個人の事情によって変化するので、具体的なご質問がある方はご連絡いただければアドバイスさせていただきます。
(アドバイスは有料になります 笑)