投資といえば株式投資や不動産投資が思い浮かびます。でも一番大切でリターンが大きいのは自分への投資です。
「老後のIT」コラムをご参照ください。
学習するのに借金をするかということについてですが、若い学生にとって奨学金は有難い制度です。
しかし最近は奨学金の返済が若い社会人の大きな足かせになっています。
10年以上前に銀行に勤めていた時に、ある大学の事務局から奨学金としてその大学専用の教育ローンを提供できないかとの相談がありました。
金貸しが商売なのでリスクとリターンが合えばやります。でも子を持つ親としては卒業と同時に数百万円の借金を背負わせるのは心理的に抵抗がありますね、と答えた記憶があります。
その話は結局無くなりましたが、その大学は当時は就職率が高かったので返済に問題は無いはずなのに、この人は何を言っているのだろう?という顔をされました。
大学事務局の考えもごもっともなのですが、僕は直前にアメリカに勤務していて、アメリカの大学生が多額の奨学金を借りて卒業後に返済に苦労している話をよく聞いていました。
日本は事情が違うかなとは思いましたが、バブル崩壊後の経済を見ていると、就職後に資金繰りが思ったように上手くいかないで返済に苦しむ人が沢山出てくるだろうと思っていました。
社会に出る前の学生が、安易にお金を借りることは良くないことだという考えを持っていたのです。
安易にお金を貸すこともよくないことだと思っていたので、残念ながら銀行勤務時代は営業の成績は上がりませんでした。笑
退職して老後を迎えて一番気を付けているのは借金をしないことです。
手元のお金で買えないものには手を出さないことはもちろんですが、儲かるからとお金を借りて株式に投資することだけはしないでおこうと思っています。
しかしもしも手元に余裕資金があれば、自己投資して学習することはもちろん良いですし、株式などに投資して世の中の動きを知ることは価値がある使い道だと思っています。
長く銀行員をやっていると経営者と親しくなって考え方もわかり、その会社の財務状況も把握しているので、すっかりその会社がわかった気分になります。
でもそれはとんでもない間違いです。
会社はいきなり倒産することがあります。
また上場するような大きな会社ではいろいろな動きがあって、とても全部はわかりません。
だから僕は、特に応援したい会社以外は、個別株への投資は極力避けて投資信託かETFに投資することにしています。
そしてじっくり時間をかけて資産を増やすようにしています。
とはいってもリーマンショックや中国不安などが起これば、慌てて売却してしまうので資産はほとんど増えませんけれど(笑)
ここ10年超いろいろな投資をやって得た結論は、資産運用について勉強する熱意を持ち,十分な時間をかけて自分なりの投資のやり方や哲学のようなものを見つけた人が、資産運用で資産を大きく増やしているようだ、ということです。
逆に言えば、僕のように才能も熱意も根気もない人は、インデックスを中心にした積み立て投資を行って、普段は投資のことを忘れているくらいが丁度いいと思います。