<ポイント3>
南北戦争前には南部と北部の間には解決すべき4つの課題がありました。
4つの課題とはこれらです。
州権問題
債務引き受け問題
首都の建設地
奴隷問題
順番に解説してみます。
州権問題
連邦政府と各州の主権配分のことです。
合衆国憲法第10条
「本憲法によって合衆国に委任されず、また各州に対して禁止されなかった権限は、各州それぞれまたは人民に留保される」
この条文の解釈をめぐって
「連邦政府の特権」派vs「各州の権利を保障する」派に分かれました
つまり、「書いていないことは連邦政府が決める」人たちと「いや、憲法に決められていないことこそ州政府が決める」人たちが対立したわけです。
現代でも州政府の権限は強く、連邦政府に対して、かなりの独自色をもっています。
新型コロナ禍のShelter in Place order(不要不急の外出禁止令)でも州単位で発令したうえに、County(郡)単位で出しています。
連邦政府による州政府の債務引き受け問題
独立戦争によって各州の債務が大きく膨らみました
南部と北部は州別にフランスなどイギリス以外の欧州の国から借金していたようです。
でも州によって財政事情がかなり異なっていたようで
例えば、南部(ヴァージニア)は独立戦争の終戦時にはほとんど返済を終わっていました。
一つの国家になるには国庫の統一が重要ですが、各州政府はお金を握っていたかった(笑)
州政府から連邦政府への主権の移譲をめぐって、駆け引きや交渉が行われたのですが、最終的には連邦政府の債務引き受けの代わりに連邦税課税ということに落ち着きました。
首都の建設問題
これはプライドをかけた北部と南部の争奪戦になりました。
ほかの
課題などとのバーターの結果、妥協しました。
暫定首都はフィラデルフィア(北部)
10年後にポトマック河畔(ヴァージニアに隣接 南部)に首都建設
恒久的首都ワシントンDCが誕生したわけです。
奴隷問題
この問題を議論すると南部と北部が平行線になり、結局決裂することが明白なので先送りされてしまいました。
独立戦争の時に奴隷問題を解決しておかなかったことが、南北戦争の一つの大きな原因だと思います。
この問題は結局、戦争でしか解決できなかったということです。