投資信託の業界で「草食投資隊」というグループ(?)があります。
現在は活動休止中なのですが、コモンズ投信の渋澤社長、セゾン投信の中野社長、ひふみ投信の藤野社長のお三方が
投資信託の啓蒙活動をされていました。
(もちろん、ご自身の投資信託の宣伝は大きな目的です)
三人のうち、渋澤社長の講演会に参加して懇親会で面識を得て、その後「シブサワ・レター」を送っていただいています。
昨日の「シブサワ・レター」の中に興味深いフレーズがあったので引用します。
BCからACへの過程で、本当の意味での「働き方改革」を余儀なくされました。社内の朝の会合に集まることだけを理由に、通勤地獄の時間帯に列車に押し込まれて非人道的な扱いを受けていたということに皆さん気づいてしまったと思います。報告事項を共有するための会合であれば、WEB会議で十分です。やらなくても良い不要な業務や作業の発見も多々あったでしょう。
そして、本当に日本は、特に大企業の場合、人手不足だったのでしょうか。もしかすると日本社会において「人手」という資源の最適な分配に課題があったことが、今回の世界的危機を経て見えてくるかもしれません。
日本は、本当に「人手不足」だったのか?
この問いは、「人は何をするべきか?」への本質的な問いですね。
東日本大震災の時も感じたのですが、「自分が会社に行かなくても、担当している仕事は回るじゃん」という感覚は、(大きな声で言えないものの)相当数の方が持たれたのではないでしょうか?
そこを追求すると会社での自分の存在価値が怪しくなるので、そのままうやむやになって今日に至りましたが、BCからACに変化するときになって、改めて表面化してくるような気がします。
巷で言われている「働かないおじさん」は、自分の仕事はパソコンとWEB会議で殆ど片付くとなれば、ACになればもっと時間を持て余してしまうかもしれません。
時間が出来て家に居ること増えてくると、もしかすると、夫婦や子供たちと過ごす時間が増えたおかげで、夫婦喧嘩が増え、子供への虐待が増加する可能性もありますね。
(統計を調べたわけではないので、単なる推測ですが)
ACになっても、相変わらず早朝会議のために早くから出勤する会社も沢山残るでしょう。
でも、人材の活用を本気で考える会社は、新しい展開をやってくるでしょうね。
その一つの兆候がタニタのやり方です。
タニタでは、正社員をあえて退社させて個人事業主にしてタニタの仕事をやってもらっているそうです。(4月6日付日本経済新聞電子版)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57642060T00C20A4FFV000/
一つの会社で何十年も経験を積むと、スキルの集積とともに自分なりの視点が出来てきます。
その視点は、必ずしも会社の経営戦略と一致しないこともあるので、そういう人には独立して、自社の仕事もやってもらいながら、広い世界で活躍してもらおうというタニタの考えだと思います。
この延長線上で老後の仕事を考えると、自分のスキルや趣味などを生かして、いろいろとやりたいことが出来そうな気がします。
僕の友人で65歳を迎えた人たちの中にも、さらに新しい会社で給与所得者になる人のほかに、得意の語学を生かして通訳や留学生の世話をやろうとしている人がいます。
もちろん、65歳までに生活の基盤が安定させて、チャレンジできる素地を作っておくことが重要ですが、先進国では発生しないと思われていた、新型コロナのような感染症が、燎原の火のように広がる世の中ですから、いつ何が起こるかは分かりません。
そういうことならば、自分の人生を充実して生きるために、ACになったら、やりたいときにやりたいことができる環境に変化してほしいですね。