利息には「単利」と「複利」があるのはご存じと思います。
「複利」法則として、「72,114,144のルール」があるのも、ご存じの方がおられるでしょう。
「72のルール」では、72を金利で割れば、2倍になるまでのおおよその年数が分かります。
例えば金利が7.2%とすれば、72÷7.2=10 元本が2倍になるのに10年かかります。
「114のルール」とは、同じく114を金利で割れば、3倍になるまでのおおよその年数が分かります。
例えば金利が11.4%とすれば114÷11.4=10 元本が3倍になるのに10年かかります。
「144のルール」では、144を金利で割れば4倍になるまでのおおよその年数が分かるのです。
例えば金利が14.4%とすれば、144÷14.4=10 元本が4倍になるのに10年かかります。
これらの法則は、主に資産運用で元本を○○の金利で運用すれば、元利合計が元本の2倍、3倍、4倍になるための年数を示すのに使われます。
でも同じことは借入にも言えるのです。
例えば消費者金融から金利14.4%で借りれば、仮に金利を払わなければ、10年後には元利金合計が4倍になります。
クレジットカードのリボ払いの金利が15%程度とすると、10年続けると元利金が4倍になる可能性がありますね。実際には、利息(の一部?)だけは払う仕組みですので、総返済額は元本の4倍以下ですが、それでも大きな額にはなります。
もしも誰かが、年利7%で借りて10年継続したら、利息を払わなければ総返済額は元本の2倍くらい。
年利11%で借りて10年継続したら、同じく複利で計算すれば総返済額は元本の3倍くらいになります。
つまり事業でお金を借りるならば、利息が高ければ、それをはるかに上回る利益を上げないと、いつまでたっても借金を返せないわけです。
個人ならば、高利で借りると、とても貯蓄する余裕はないでしょうね。
それどころか、金利すら払えないこともあり得ます。
もちろん、借り入れが必要なときはあります。
住宅購入や学費など、人生にとって必要不可欠なもので、金額が大きいものには借り入れで
対応するしかないでしょう。
でもこれらは比較的金利は低く抑えられています。
分不相応な大邸宅を購入しない限り(そんなにはお金を貸してくれませんが)収入の範囲内で返済できるのが普通です。
問題は「欲」に絡む借金です。
ギャンブルや遊興のための借金は、不正を招いて身を滅ぼすことがあります。
お金のかかる趣味のための借金は、家庭内のトラブルに発展することがあります。
そしてそれらの借金は、押しなべて金利が高い。
10%を超える金利を請求されたら、普通の人では、長期的にはまず払えないと思います。
現在は、新型コロナ禍で仕事がなくなって収入が減り、お金を借りることを真剣に考えている方が多いかもしれません。
喉から手が出るほど欲しい現金ですが、借り入れる場合には、「72,114,144のルール」を
思い出していただいて、借り入れ金利から計算して、最終的な総返済額を想定いただけたらと思います。