「アメリカの高校生が読んでいる資産運用の教科書」という本があります。
第一版が2008年10月に出版されているので、ちょうどリーマンショックの真っ最中ですね。
もちろん実際にアメリカの高校生が読んでいる本ではなくて、アメリカならば高校生でもこれくらいのことは学習しているよ・・という内容の本です。(たぶん 笑)
世の中は新型コロナ禍で大騒ぎですが、こんな時に開業したての資産アドバイザーに
話を聴きに来る人もいないので、昔に買った本を読みなおして、基礎を確かめてみようと思っています。
ところで、こんなことを書くと、先行きが見えずに困っている方々に叱られるかもしれませんが、
個人的には、この時期はこれまでの仕事のやり方や知識を見直して、今の資産のロケーションや
ライフプランを根底から考え直してみる良い機会ではないかと感じています。
例えば、4月5日付の東洋経済オンラインに、ファイナンシャルプランナーの山中伸枝さんがフリーランサーの法人成りを勧める記事を書かれています。
https://toyokeizai.net/articles/-/341385?page=3
それとともに、今までは、今日のような日が明日もやってくると思っていたのが、「いや、明日は分からないぞ!」とか「今日という日が、人生最後の日だったらどうする?」といったことが、以前より現実味を帯びてきたように思います。
自分の例で言えば、一昨年の手術から始まって、心臓や腎臓など内臓の疾患が判明してみると、過去に敷いたレールの上を、このまま走り続けてもよいのだろうかと考えてしまいますね。
さて、話をもどして資産運用の教科書ですが、基礎的かつ忘れがちなことがいくつか書いてありました。
一つ目は「最優先すべきもの:純便益=便益-費用」です。
例えば、あなたが現在高校3年生として、大学生になったら沖縄旅行へ行きたいと思っているとします。
しかしあなたは、大学を卒業したら一流商社に就職して海外で活躍したいとも思っています。
沖縄旅行の純便益A=沖縄旅行の楽しさー沖縄旅行の費用
一流商社マンの純便益B=高給・年金・仕事の充実―(受験勉強(学費)+英語学習(留学費用)など)
ここであなたは限られた手元のお金を、純便益Aと純便益Bのどちらのために使うのかを決めなければなりません。
二つ目は「5段階の意思決定モデル」です
第一段階:直面する問題を特定する
第二段階:選択肢をリストアップする
第三段階:判断基準を決める
第四段階:選択肢を判断基準に従って評価する
第五段階:選択肢の中から一つを選ぶ決定を行う
先の例でいえば、沖縄旅行と一流商社マンは、第二段階の手元のお金をどのように使うかでぶつかります。
短期的に楽しく遊びたいことと、将来の夢のための学習にお金を使うことの判断基準を決めて、最終的に手元のお金をどう使うのかを決めねばなりません。
まあ、これは単なる例ですし、旅行と将来の夢の両方にお金を使える人もいるでしょう。
僕がここで言いたいのは、これはライフプランを決めていく中で、繰り返し出てくるサイクルではないかということです。
例えば、3か月先、3年先、10年先、30年先の人生を考えて、やりたいことや起こるであろうこと(就職・結婚・住宅・老後)などを想像して、それぞれを現在の判断基準で
どうやって生きていくかを考える、どうやってお金の手当てをするかを考える、
そして実際にその時になると、おそらく考えていたのとは全く異なった事態に遭遇して、お金のことも根底から考え直さねばならなくなる・・というのが人生だと思うからです。
今のような、短期的にも長期的にも先行きの視界が不良な時期に、自分が本当は何を大切に思っているのか?自分の根本的な判断基準は何なのか?などを、改めて考えてみることは有意義ではないでしょうか?