2月21日の毎日新聞記事に「死後手続きの簡略化」を進めている先進自治体を紹介するシリーズが掲載されていました。
今回の記事では、三重県松阪市が紹介されていましたが、記事によると前回は大分県別府市が紹介されていたそうです。
ご両親または親しい身内を見送った経験のある方はお分かりかと思いますが、(多くは)病院で最後をみとった後の混乱する頭で、病院側が紹介してくれる火葬手配や葬儀屋・斎場といったことに対応していかねばなりません。
大抵の人にとっては、身内の死後手続きというのは初体験で、本で読んだり話を聴いたりしたことはあっても、実際に自分が対応するとなると分からないことだらけで、もしも兄弟姉妹や親戚との考え方が違っていたりすると判断に迷うことが沢山あります。
松阪市の試みは、簡単に言えば、「おくやみコーナー」を設置して「ワンストップ窓口」ですべてを一回で対応できるように工夫されたものです。
さらに「おくやみハンドブック」を作成して、必要な手続きをはじめ、遺言書・生命保険・車の名義変更・不動産の移転登記など、死後手続きに必要な書類と手続き先の電話番号を教えてくれるそうです。
僕の父親が亡くなった時は、(もちろん初体験でした 笑)入所していた施設と相談して、近くの葬儀場を紹介してもらい、各種の手続きをするために何回か役所の窓口に通った覚えがあります。
施設(病院)側の事情としては、遺族の気持ちはわかるものの、亡くなった方には早く退所(退院)してほしいと思っている(多分)ので、次々と事務的に話を進めてこられます。
遺族の気持ちはいまだ亡くなった身内に残っているのに、無理やり気持ちを外に向けて、次々と決めていかねばならなかったのは、精神的につらいものがありましたね。
言われるままに役所に行って、住民課や保険課などいろいろな窓口を回りましたが、書類不備などで何回も行ったり来たりを繰り返した覚えがあります。
役所の窓口では、簡単な説明用紙を作っていて、どの課が何を担当しているかを親切に説明をしてくれましたが、そもそも死後のプロセスがよくわかっていないので、何度も同じような質問をしてしまいました。
せっかく行ったのに、印鑑を忘れて出直したこともありました。
初体験なので、役所の方に説明してもらっても、手続きの全貌がよくわからないので、
介護保険や年金、各種補助金などの停止届提出などで、亡くなってから数か月経っても役場に手続きに行った記憶があります。
ちなみに、行政には申請すればもらえる補助金がいくつかありますが、両親がどのような補助金をもらっているかまでは知らなかったので、補助金終了の用紙などを提出するために何度か足を運びました。(苦笑)
僕の両親は、もともと大阪に住んでいましたが、体調が悪くなって我が家の近くにアパートを借りて住んでいました。(保証人は僕でした)
その時に住民票も移したので、死後の手続きで役所に通うときは車で10分程度で済みましたが、(田舎なので車でしか行けない)両親と離れて住んでいる人が、遠方から手続きのために何回も役所に通うのは大きな負担だと思います。
新聞記事にあるような、別府市や松阪市の取り組みが、全国自治体に広がってくれると残された遺族の負担がかなり減るだろうなと感じます。
というか、大抵の方が3回も4回も死後の手配をするわけではないので、これからの多死時代に備えて、各地方自治体は2つの都市の真似をして、体制を整え、ハンドブックなどを整備することをスタンダードにしていただければよいのになあと思いますね。