研究の内容
研究の対象とした「民主化移行期」は、スペインにとっても世界にとっても激動の時代だった。
1973年と79年の二度にわたるオイルショックと世界的な経済変動。
1974年に起こった隣国ポルトガルの軍事クーデター(カーネーション革命)。
1975年のフランコの死。
政治経済の激動期に独裁的なリーダーを失ったスペインは大きく迷走を始めた。
独裁国家から民主国家への道は、あまりに遠く険しかった。
スペインの民主化は、カルロス国王の意思をスアレス首相が具現することで推進された。
カルロス国王は、1931年の共和政政府樹立で国を追われたアルフォンソ13世の孫である。
共和政政府を打倒して内戦の覇者となったフランコ将軍が、紆余曲折ののち流浪の王の孫を軍事独裁政権の後継者としたのである。
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長いので分割して掲載します。