研究の方法
フランコ総統の死去からEU加盟までの約10年間を「民主化移行期」と呼ぶ。
この期間の最大事件は、冒頭に挙げたクーデター事件(23F事件)である。
クーデターは結果的に失敗したが、スペイン国民に忘れがたい記憶を残した。
30年経過した2011年2月23日には、生き残った元国会議員とカルロス国王が集まって記念式典を開いた。
メディアも大々的に報道した。
しかしこの事件は謎に包まれている。
この時期を研究した本邦のスペイン研究書のほぼ全部に触れられているが、事件の意義や影響についての説明は殆ど無い。
これはおそらくスペイン最高裁判所が、事件後50年にわたり実質的に本件の法律的な議論を禁じたことが影響している。
事件の資料等の解禁は2031年まで待たねばならない。
本研究では、先行研究とは異なり人物を中心に論じることで、この事件の意義と影響について考察することとした。
論じる対象として選んだ人物は、カルロス国王とスアレス首相である。
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事件の真相の公開は50年間禁止されたので、2030年頃には当時の記録が公開ささて研究されるかもしれませんね。
あと10年か。
楽しみです。