3月2日に奈良市で開かれた「あおによし奈良SG」セミナーの懇親会で、たまたまお話ししたFPの辻本由香さんから、ご自身の著書の紹介がありました。
書名は「がんを生きぬくお金と仕事の相談室」(河出書房新社)です。
帰宅して早速アマゾンで購入して読んでみました。
辻本さんは、ご本人が著書で書いておられるように、乳がんの経験者です。
僕が辻本さんの本を買って読んだのは、僕の母がやはり乳がんの経験者だったからです。
母は転移の結果、両方の乳房を切除しました。
僕たち夫婦は、海外勤務から帰国して初めて母が乳がんに罹患したことを聞いて驚きました。
「海外にいる子供に余計な心配はさせたくない」という気遣いだったことをあとで聞きました。
辻本さんの本を読むと、がんになった患者さんの心配や不安が、ご自身の体験も含めて書かれています。
僕の母もさぞかし不安だっただろうなと思いますね。
母の罹患は1980年代だったので、周囲の理解やサポートも今ほどではなかったと思いますが、それでも母は、がんの他に心臓を患っていたこともあって、自治体の制度や父の勤務先の補助などを細かく調べて、いろいろな補助を受けていました。
数年前に母が亡くなった時に、何度も役所などに問い合わせて、沢山の手続きを自分でやってみて、それがよく分かりました。
辻本さんの本にも、自治体や勤務先の補助の内容を知ること、公的私的なサポート組織を活用することが書かれています。
僕の母親の時代は周囲に専業主婦が多かったのですが、現代は性別にかかわらずみんなが働く時代です。
制度の助けや周囲のサポートは重要ですが、がんは治療が長期に継続するので、治療費とともに治療期間の生活費の工面も同時に考えねばなりません。
辻本さんの提言は、「なんとか仕事を辞めないで、治療をしながら収入を得る道を探すこと」です。
つまり「諦めずに、しぶとく生き抜きましょう!」ということかなと思います。
がんに限らず、病気や手術は自分の身に降りかからねば、その煩雑さや憂鬱さはなかなか実感できません。
僕も昨年末に突発性難聴の通院と、鼠径ヘルニアでの手術入院が連続して起こっただけで結構憂鬱でした。
術前検査も含めた手術入院費用は10万円弱でしたが、事前の高額医療の手続きをしていなかったので、退院してから保険会社と健康保険組合に連絡して書類を送ってもらって返送するなどを面倒だなと思いながらやりましたね。
FPとして制度の内容や手続きなどの知識はあったのですが、自分の身に起こってみると普段考えているよりも時間と手間がかかるということでしょうね (苦笑)亡き母を見習わねば(笑)
<あとがき>
僕はブログを書くときに、実名や人物写真を載せるときは、FB投稿前にできるだけ登場される方に連絡して、間違いがないか?投稿して良いか?を聞くようにしています。今回も辻本さんにブログを送ったところ、下記の言葉の追記依頼がありましたので、原文のまま掲載します。
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「がんの治療には、いくつもの治療法があります。どれを選ぶかは、患者のライフスタイルや考え方で変わります。
医師と相談の上、自分にとって最適な治療を見つけることが何より大切です。
そのときは、アフターフォローまで考えて治療できる医療機関を選びましょう。
がんになっても、自分の思う人生を歩いていけるように。これが私の願いです。」