10月20日、FPの勉強会「大和八木SG」で司法書士・行政書士の小坂和義先生をお招きして、
成年後見人について実務を踏まえたセミナー開催をお願いしました。
セミナーのあとの懇親会でのお話も含めて、
人生100年時代の最晩年に深く関わるかもしれない成年後見人の実務と
老齢化していく自分への対策のようなものを考えてみました。
実際に自分が100年生きるかは別にして、長寿を得ることは身体と心の老化を伴います。
医学的に論証されているかは分かりませんが、一般的に年を取ると認知症になる可能性が高まります。
認知症になったときには、自分の判断能力や実務遂行能力が著しく低下することを考えると、
自分の成年後見人を選定する必要が生じる可能性があります。
ところが、この選定が自分の意思通りになるとは限らないのです。
場合によっては、全く面識のない専門家(弁護士や司法書士)が選定されることもあり得ます。
そして、法定の成年後見人が家庭裁判所の決定により選定されると、
本人の財産は基本的に成年後見人の名義に変更されて、
妻や子供でも成年後見人の許可なくしては、本人の財産の処分等が出来なくなります。
僕が銀行に勤務していたときは、まだ成年後見人の制度が無かったからか、
亡くなる最後の時まで巨額の財産を抱えていて死後に揉め事を残した人を時折見ることがありました。
その時は死の直前までのご本人の財産への執着心の強さを印象付けられましたが、
個人的にはいくら財産があっても死後の世界にはもっていけないのになあと思っていました。
(お客さまには言いませんでしたが)
現在の生活の中で、僕の周囲の人を見ていると、直接間接に「終活」や「断捨離」を行って、
亡くなるまでに「身軽」にしておきたいという人が増えているように感じます。
小坂先生のお話を伺って思ったことは、自分が判断能力を失うような年齢になるまでに、
自分の人生に最低限必要な資産を除いて、余った資産があれば分けられる人に分けてしまい、
寄付するならば寄付してしまったほうが良いのではないかということですね。
因みに、成年後見人はお金持ちだけの話ではないそうです。
小坂先生によれば、生活保護を受けているような収入が乏しい人の成年後見を行うこともあるそうです。
入所している施設などの要請が会ったりするらしいのですが、
そんな時は「持ち出し」になることもあるとのことですので、成年後見人になるのもリスクがあって大変なのですね。