• 定年男子のランとマネー

南生駒~矢田丘陵~奈良

 

9月14日、ラン友のOさんと矢田丘陵トレイルを走りました。

前夜の練習会で安藤コーチが「各地のトレイルが荒れて走れませんね」と浮かない顔をしていましたが、

翌日Oさんに会うと、やはり安藤さんから矢田丘陵のトレイルレポートを頼まれていたようです。

午前8時半に近鉄生駒線の南生駒駅で集合。

「今日は距離を稼ぎましょう。40キロ走りたい!

僕はちょっと付いていけそうもないなあ。
適当にリタイヤしてやろう

Oさんは奈良県在住で矢田丘陵がホームコースです。

僕はこの辺りはツアーで一度来たことがある程度でした。

 

スタート前ロスト

 

南生駒駅でOさんと会うと、Oさんは早速駅員に質問しました。

実はOさんも南生駒駅は初めてだったのです。

矢田丘陵に行くには右の出口ですか?左ですか?

駅員さんは自信なさそうでした。

そんな漠然とした質問は受けたことがないでしょうね。

駅員さんに聞いて、取り敢えず駅を出て矢田丘陵への入山口を探しました。

Oさんは熱心にスマホのナビを見ています

僕が土地勘が無いので一生懸命に登山口を探してくれています。

やさしい人ですね。

「こっちです。来たことあるんです」

正直言うと、僕の目には生駒山のように見えましたが、せっかく探してくれたので僕は黙って従いました。

そのまま道路を登って行きましたが、凄い坂道でした。

まずは坂錬や!

Oさんは黙々と走って登って行きました。

途中で「暗峠」への標識が。

暗峠は生駒じゃないの?

これは矢田丘陵の暗峠へ行く道や!」断固たる答えでした。

そのまま坂道をゼエゼエ言いながら登って行きましたが、Oさんが「ここだ!」という道は閉鎖されていました。

「台風の影響でトレイルは被害を受けていますね~」

Oさんは安藤さんへのレポートのために写真を撮っていました。

そこへ通りがかったおじさんに「矢田丘陵はこの先ですよね?

おじさんは目をぱちくりして

この先は生駒で暗峠。矢田丘陵は真逆だよ」と
教えてくれました。

「では戻りましょう!」
Oさんは過去にとらわれません

急な坂道をどんどん下っていきました。

再び南生駒の駅に着きました。

既に5キロ走っています

通りがかったおばさんに「矢田丘陵の入山口を知ってますか?」

昔はあそこの道が行けたけど、今は私もあまり歩かないからねえ
おばさんは、少し自信なさげでした。

「行きましょう!」Oさんは走り出しました。

ところがここは行き止まり。

再び南生駒の駅でした。更に1.5キロ走っていました。

「次の駅の萩の台へ行きましょう。登山口があるんです。こっちです」

と走りだしました。

僕は萩の台駅を通過して南生駒に来たので、Oさんが走りだした方向が真逆だと分かりました。

Oさんは通行人に道を聞いて、笑いながら戻ってきました。
逆方向やて~

そこから3キロ超走って萩の台駅に着きました。

集合してからすでに10キロ走っています。

大会なら十分に関門アウトですね(笑)

距離稼げて良かったやん!

Oさんはすべてにポジティブです。

 

矢田丘陵トレイルラン

 

萩の台駅からの入山路はかなり荒れていました。

本当にここを通るの?やめて戻ろうか?

先へ行って!」Oさんの声が後ろから飛んできました。

通行止めの柵はしていなかったし、車両はダメとしか書いてなかったので

倒木の枝をかき分けて歩いていくと、ひときわ大きな木が道を塞いでいました。

立ち止まって崖を見ると「スズメバチ注意!」と黄色のスズメバチの絵を描いた札が2枚ぶら下がっていました。

覚悟を決めて、蜂を刺激しないようにそ~っと速く枝を抜けていきました。

こんなところでスズメバチに刺されたら、誰も助けてくれません!

後方からOさんが「行けそう?待ってて~、ここで写真撮って!」などと言いながら追ってきました。

僕は出来るだけ倒木から遠く離れて進んでいましたが、仕方なく足を止めました。

この季節のトレイルは動き続けないとすぐに虫に襲われます。

倒木越しにポーズを決めるOさんを撮りながら
「スズメバチが居ないといいなー」と願いました。

後でOさんから

上山さんは倒木と最終のお風呂近くは速かった。倒木のところは“待って!写真撮って”といったのにすぐに居なくなった

と文句を言われました。

スズメバチ注意!の札があったでしょ。蜂は怖いからね」

知らない!見てへんかった。それで私を置いて先に行ったんや。言ってくれへんかった!酷い!
蜂が留守しててよかったけど」

Oさん!あんなに目立つ札に気が付かないのは自己責任です。(笑)

矢田寺と松尾寺の分岐標識の辺りからトレイルは整備されていて綺麗でした。

Oさんと「整備してもらって利用するだけでは申し訳ないな~」

「何かできることをしないとね~」と話しながら走って行きました。

松尾寺について補給をしてから法隆寺に向けて走り出しました。

途中は快適なトレイルでした。

ゴルフ場を超えてロードにでるとOさんが「戻ろう」と言いました。

「この先行くと戻るのが大変やねん」

距離稼ぐのじゃないの?

簡単に言うとOさんは「ロード走嫌い」なんですね。

そのあと松尾寺まで戻り、更に走って途中で南生駒から1,7キロの標識に出会うと

「ほら、ホントはこの道で来たかったんや~」

GPS腕時計は21.7キロでした。

予定のコースよりも20キロ余計に走っていました。

「おかげで距離が稼げたやんか」

Oさんはどこまでも前向きでした。

お風呂

 

第二阪奈道路を超えて、郡山のあたりからロードランになりました。

富雄川沿いを走って交差点に来ると、郡山、奈良、生駒への分岐点の標識が道路に賭けられていました。

「奈良はこっちやね」

Oさんはスマホのナビを見ながら

「違う!あっち。私は来たことがあるから大丈夫」

どう考えても生駒に戻る道だと思うのですが、Oさんはどんどん走り出しました。

途中で歩いてくるおばさんにであって「奈良はこっちですよね」

おばさんは驚いたように目を見開いて
奈良は反対方向ですよ。こっちは生駒です

「ありがとうございます」

Oさんは朗らかにお礼を言って、くるりとUターンして走り出しました。

気持ちの切り替えが速いですね。

奈良方面に走っていくと、Oさんは

「途中にある団子屋さんで団子食べたい。お腹減った!」

と言うので、道をかえて旧奈良街道を走りました。

「だんご庄」の前でOさんは感激して団子の看板に抱き着きました。

余程空腹だったのかな?

お店の団子は確かに美味しかった。

冷たいお茶も美味しくて二人ともお替りしました。

 

団子屋さんは近鉄橿原線の尼ヶ辻駅の近くにあったので、そこから24号線沿いのスーパー銭湯へ向けて走ることになりました。

お風呂は駅から、垂仁天皇陵を経て唐招提寺薬師寺を通って、朱雀高校の近くにあります。

Oさんは駅の掲示板にある「歴史の道」を探そうとしますが
近所の人は誰も知りません。

ようやく駅前でタクシーの運転手を捕まえて、それらしい道の入り口を教え貰いました。

確かに歴史の道らしく、垂仁天皇陵を超えて踏切を渡ると眼前一杯の稲穂の向こうにお寺の屋根が見えてきました。

ここや!歴史の道や!

Oさんは感激して走り出します。

途中で案山子の真似をして大はしゃぎでした。

ところがここも行き止まり。草の中を進んでいくと畑に行き当たり、

耕作をしていたおじさんに道を聞いて(通れないと言われたけど、Oさんのお願いで無理に通してもらいました 笑

いっぱい虫に噛まれながら、何とか秋篠川沿いに出ました。

ここからお風呂目指してランになりました。

下校してくる沢山の朱雀高校生の人波をかわしながら長い距離を走りました。

お風呂到着が午後4時。

1時間ゆっくりと風呂に入って、午後5時から簡単な食事をしてバスに乗って
帰りました。

風呂上がりに食事をしながら珍道中を振り返って二人で笑っていましたが、僕の見た感じでは

僕もOさんも似たところがあって、トレイルランに行ってもコース案内を他の人に

任せてしまうタイプですね。

例えば僕は大会か安藤さんのツアーか、友達同士ならばしっかりした案内人のいるグループでトレランに行きます。

もしも一人なら良く知っているダイトレしか行きません。

そういう意味では、慣れないツアーガイドを一生懸命務めてくれたOさんに感謝です。

(多分Oさんは、僕のほうが頼りなく思ったのでしょうね 笑)

ロング走も出来たし、今日はとても楽しかった(笑)

思い出に残る(笑)充実した一日でした。

 

自宅に着くと午後7時半。一日仕事でしたね。

因みに走行距離は33.6キロ。走行時間は7時間16分でした。


コメント一覧

返信2018年9月15日 10:16 PM

川中さと子25/

上山さん 珍道中のお話し読んでて声出して笑ってしまいました本当面白かったです面白すぎです✨

    返信2018年9月15日 10:21 PM

    セニョール25/

    Oさんもお腹抱えて笑ったそうです。おかしいよね!

返信2018年9月16日 10:57 AM

のぶちゃん25/

上山さん めっちゃくちゃ面白いリポート ありがとうございました。 ロストしたら怖くなったり ガッカリしがちですが、 ポジティブな方がいると ロストするのも 楽しいですよね。

    返信2018年9月18日 11:07 PM

    セニョール25/

    コメントありがとうございます。もうすぐ六甲山レポートも送りますよ。

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