3月15日、第一生命経済研究所の新家義貴さんの経済予測を聞いてきました。
まず今年初めの大暴落についてです。
ニューヨーク市場は2月4日に666ドル、5日に1175ドル。8日に1033ドルの大暴落を記録しました。
5日は過去第一位、8日は過去第二位の暴落幅でした。(ただし暴落率では10指にも入りません)
この原因を分析すると、2018年1月の賃金統計で時間当たり賃金が急上昇して、
労働力不足では?⇒
インフレになる?⇒
連銀が利上げする?⇒
株は下がる?⇒
調子に乗って買いすぎたかな?⇒
株式売却・・・の動きになったようです。
最近発表された2月の賃金統計では伸びは鈍化していて、1月の統計は一時的な現象だった可能性が高いと思われます。
(どうやら大寒波の襲来で時短が起こって労働時間が短縮したのに固定給の人は給料が変わらずに、
結果的に時間給が押し上げられたのではないか?という推測です)
これまではリーマンショックのときの物価の落ち込みが大きくて、景気が良くなっても物価の上昇に実感が無く、
株式にとって適温経済(ゴルディロックス・エコノミー)だったのに、急に時間給が上がって驚かされたということのようです。
年初の急落は、結果的に調整(市場のガス抜き)の役割を果たして、景気の拡大は持続するのではないか?と思われています。
今後、暴落の兆候として注意するとすれば、賃金、 物価、 金利 の3点でしょう。
日本経済は8四半期連続のGDPプラスですが、これはバブル期以来です。
牽引車は輸出です。
設備投資も好調で、
人手不足対応のための投資なども期待できるため2018年は順調に行くのではないかと予想されます。
米国経済もトランプ政権の施策がどうあっても、消費者マインド向上と企業収益上昇のためこれからも順調に推移しそうです。
尚、トランプ政権の政策成果としては減税も効果を現わす可能性があります。
政府発表では5年間連続して景気は回復中と言われていますが、
消費税引き上げから2年間は「長い踊り場」で実質的には景気が後退したと言ってもおかしくないので、
現在はまだ3年しか景気が良くなっていないとも言えます。
それに個人消費が強くもなく弱くもない状態なので、景気回復と言われても実感が無いのでしょう。
でも過熱感が無いことが幸いして、新家さんは景気の回復は長続きしそうだと予測しています。
但し2019年にはリスクがあります。
① 消費税率引き上げ(2019年10月)⇒「森友」問題で財務省は延期する??
② 海外の金融引き締め⇒株式市場低迷
③ オリンピック効果のピークアウト⇒2018年がピークだろうと予測
④ 循環的な回復息切れ
⑤ イベント多い(天皇陛下退位、統一地方選挙、参議院選挙、改憲国民投票??)
⑥ 改憲問題の内閣支持率への影響
講演の最初に新家さんは「私の仕事は経済の予想です。
よ・そ・う は逆から読むと
う・そ・よ になります。
それくらい当たりません」と言って笑いを取られました。
我々も「話半分」くらいに聞いて、慎重に対応しましょう。笑