先日ネットを見ていると、「持ち家と賃貸住宅のどちらが有利か?」という神学論争(笑)コラムを見る機会がありました。
そのコラムの筆者は現役世代のようでした。
その方のご意見では、賃貸住宅が有利で、根拠としては持ち家だと巨額な住宅ローンに縛られて、行動の自由が制限されるという趣旨で論陣を張っていました。
そしてもしも家を買うならば、中古住宅など比較的安価な住居を薦めていました。
確かに現役世代ならばそんな結論になりやすいと思います。
でも賃貸か持ち家かの決断は、生きてきた歴史と場所で、どの時期にどの立場であったかによって結論が異なります。(手持ち現金でいつでも家を買える人は別格ですが、そんな人はほとんど存在しないでしょう)
僕などは高度成長期に不動産が急上昇したのを見て、疑いもせずに無理して家を買ったクチですね。
今は周囲の不動産価格が低下してしまい、田舎なので中古と言ってもなかなか売れない状況です。
なんとか定年退職前に住宅ローンは返済できたので、周囲の状況を見ながら、どこかの時点で自宅を売却して、駅に近い便利な住居に引っ越したいなと考えているところです。
でももしも賃貸住宅に引っ越すならば、現在の生活費にプラスして家賃が必要になりますが、年金だけで生活費+家賃を賄うのは至難の業ですね。
そうなると自宅がいくらで売却できるかに関心が集まります。
僕の知人で好立地のマンション暮らしから、定年後に中古の戸建てを購入した人が二人います。
子供が大きくなって独立し、広い家が不要になって住み替えたそうです。
もちろん住宅ローンは借りないで、マンション売却代金の範囲内で、リフォーム費用込みで買える物件を探したそうです。
彼らが売却したマンションを購入したのは、いずれも同じような年輩のご夫婦でした。
恐らく戸建てを売って便利なマンションを買ったのでしょうね。
戸建てかマンションかは個人の判断ですが、老後の住宅売買は既に保有している資産価値の範囲内での決断になるようです。
実際に定年になってみると、誰かに追い出されない自宅があるのは精神的に安定します。
人的資本(お金を稼ぐ力)を失ってから家賃を払い続けることも苦しい選択なので、いかにして定年までに家賃を払わなくて良い状態に持っていけるかが老後の不安解消の第一歩になるように思います。
僕の結論を言うと、定年前は持ち家(安定した子育て)でも賃貸(生活の柔軟性)でも、自分の状況に合わせて選択して良いと思いますが、定年後は家賃を払わなくて済む自分の家を確保できるようにライフプランを考えるべきです。
考え始める時期は、40代前半から、遅くとも50歳には考えてほしいなと思います。
10年以上の時間があれば、何らかの対策は考えられますからね。
(頭金+15年ローンで返済できる範囲で買える物件を探すなど)
例えば、定年まで勤務先の社宅で暮らして黙々と住宅資金を貯め、定年と同時に即金で新築でも中古でも良いので住宅を購入できたならば、それは考えられる範囲でスマートな方法だと思いますが、現実には困難でしょうね。