2017年2月21日から23日の3日間で屋久島へ行ってきました。
屋久島には大阪国際空港(伊丹空港)から直行便が飛んでいます。日本エアコミューターのプロペラ機です。強風で揺れることがありますが、屋久島空港は滑走路が短くてジェット機が着陸できないので、飛行機でなければ船で行くことになります。
屋久島は約1500万年前に巨大な花崗岩が海底から隆起してできた島です。
最高峰の宮之浦岳は標高1936メートルで九州最高峰です。1000メートル以上の山が46峰あるのですが、周囲100キロ程度の島にある山の数としては密度が高いと思います。
屋久島は黒潮の流れの真ん中に位置しており温かいのですが、山頂は寒くて北海道並みになるそうです。雪も降ります。山に向かって等高線が詰まって描かれており、亜熱帯から亜寒帯の植物が見られます。
屋久島は屋久杉の島です。
樹齢1000年以上を屋久杉と呼び、数百年の杉を小杉と呼びます。
屋久杉はかつて数万本も自生していたようですが、現在は伐採されて約2000本程度が残っているそうです。
例えば豊臣秀吉が京都の方広寺を建立するときに石田三成が島津家に杉を運ぶように命じた記録が残されています。このときに切り倒された屋久杉の一本がCMに映像が使われたウイルソン株と言われています。
江戸時代を通じて薩摩藩は年貢米の代わりに屋久杉の伐採を要求し、明治になってからは国家事業として樹齢数百年の小杉を中心に伐採が進みました。
島の中央部を歩くと、いたるところに巨大な切り株が残っています。
切り株に再度杉が「着生」して大きくなり「二代杉」や稀には「三代杉」と呼ばれるものもあります。屋久島の自然は、極めて長時間に渡って循環を繰り返しています。
屋久杉は養分が少ない土壌に育つので、本土の杉に比べて成長が遅くて年輪の間が狭くなっています。(本土の杉がメタボとも言えますが(笑)そのかわり樹齢は4~500年です。)
そのため木に油分が多く溜まり、切った後の数百年も油分が涸れないので優れた建材として利用されました。屋久杉は巨大なので山中で解体して建材として港までトロッコでは運びます。
屋久島はまた水の島でもあります。
平地で年間4000mm、山地で年間8000~12000mmの雨が降ります。
屋久島は花崗岩の塊に土砂が蓄積して植物が自生していますが、土壌が浅いため夥しい水が島から海へ流れ出します。
この湿潤な島を覆うように苔が生えています。
島では雷がよく落ちるのですが、気候が多湿で木々が苔に覆われているため、例え火災が起こっても、木の一部分が焦げるくらいで収まります。