9月10日に大阪梅田で大学の同窓会が行われました。
僕たちは1978年度の卒業なので、もうすぐ卒業40周年です。
大学を卒業してから5年ごとに同窓会を開いていましたが、
全員が還暦を過ぎて、あと少しで引退する人が急増することから、
次回からは3年ごとくらいにやろうかという話が出ています。
亡くなった人も病気の人も出てきているし、行方不明者も多くなっているので、
会える時に会っておこうということかもしれません。
集まったのは男性4名、女性11名です。
男性は関西からの参加ですが、女性陣は東京、新潟、徳島、福岡、熊本など各地からやってきました。
入学した時は51名で男性と女性が半々くらいだったのですが、40年もたつと勢力範囲が明確になりますね。
僕たちが卒業するときは、第二次オイルショックの直後の不況で、
大企業が軒並み採用を絞り込むか中止にしていました。
大学が語学系だったので、従来は商社へ行く人が多かったのですが、僕らのクラスで商社に入った人はゼロだったと思います。
男女雇用均等法ができたのが1985年ですので、企業に就職を希望していた女性陣はかなり苦戦しました。
(男性陣も苦しかったのですが)
英語を教えたいという人も多くいて、故郷に帰って高校の英語教師になった人が沢山いました。
大学教授になった人も含めると、集まったうち8名が教員です。
そのほかの人たちも、翻訳など何かしら英語に関わって生きてきた人が多いようです。
近況報告では、約束事のように、男性は仕事の話をして、女性は子供や孫と親の介護の話をしていましたが、
Fさんは出身地の新潟の話を始めました。
幕末の有名人である「河合継之助」について熱弁を振るいます。
(因みに河合継之助は司馬遼太郎の小説「峠」の主人公で、司馬遼太郎は大学の先輩に当たります。)
周囲からは「英語の先生ではなくて日本史に鞍替えしたの?」と聞かれてましたが。笑
Fさんは卒業後に新潟に帰郷して、定時制高校の英語教師になったのですが、当時は午前中は時間があったので近くの温泉でひと風呂浴びてから学校に教えに行ったそうです。
幸せな人生ですね。(今はあまり温泉には行かないよ、と言ってましたが)
最近は、数十歳年下のラン友さんのガールズトークを聞く機会も多いのですが、還暦世代のガールズトークは(たまたまでしょうけれど)英語に関するものでした。
近況報告で帰国子女のMさんが卒論のテーマ(戯曲?)のことを話すと、同じテーマで卒論を書いたTさんが声を上げます。しばらくは何人かが演劇の話で盛り上がっていました。
二次会で行ったカラオケで、Bette Midlerの「The Rose」やEaglesの「Hotel California」などを歌うのですが、画面に流れる英文の歌詞を見ながら
「改めて見ると、この歌の歌詞がこんなことを言っているとは知らなかった」
などの感想が聞こえてきました。
僕の両隣に座ったのは、弁護士のEさんと翻訳家のHさんです。
Eさんは現役で大学に合格したのに、「ここは違う」と、一年後に大学を受けなおしました。
4年間はおとなしく(?)していましたが、卒業時に就職難のなか「マスコミに行きたい」と大手新聞社を受けて、結局合格。(一年間だけ高校の先生をしていました。)
その後、九州で新聞記者として活躍していましたが、疑似職場結婚をして二児の母に収まりました。
ところが、また「新しいことがやりたい」と司法試験を受けて合格。弁護士を開業しました。(尚、結婚は継続中です。笑)
帰り道で一緒になって聞いたところでは、「次はどうしようかな?」と言っていました。
彼女の「試験強さ」と「チャレンジ精神」は真似ができませんね。笑
翻訳家のHさんは奈良の旧家のお嬢さんでした。
英語はもともとよくできたのですが、在学中に留学生と知り合い仲良くなって、スペイン語も達人になりました。
彼女も就職難を突破してメーカーに入社したのですが、仕事で知財関連の翻訳に関わったことを契機にして独立して翻訳業を始めました。
前に聞いた時には、「新しい辞書を見つけたら、すぐに買ってしまうので、家じゅう辞書だらけ」と笑っていました。
英語とスペイン語のほかに、イタリア語・ポルトガル語・フランス語・中国語とあちこちに手を出したようです。
EさんもHさんも個人事業主なので、個人事業主見習いの僕は、話を聞いていると参考になることが沢山あります。
質問すると、考えながらストレートに行ってくれるので、良い友達です。(と僕は思っています。笑)
出席した同窓生は、ほとんど全員が、何らかの形で英語のプロなので、どうしても英語の話題が多くなるのですが、雑談を聞いていて改めてみんなの実力を実感した一日でした。
次回会う時は、全員が引退して静かな人生を送っているのかもしれませんが、このような鍛え上げた人材が、年齢が高くなったと言うだけで埋もれてしまうならば、もったいない話だなあと思いますね。