2016年11月20日に神戸マラソンを走ってきました。当日は曇り空で湿度が高く蒸し暑いスタートになりました。「こまめに水分を取ってください。でも取りすぎないでください。
大会情報でアドバイスを聞いて、いったいどうすればいいの?と思ったランナーも多いでしょうね。
水分を取って腸が吸収するまで30分かかると言われているそうです。吸収できるのは個人差があって1時間に200~700mlと言われています。
(http://osmaga.com/post-2040-2040 2017.2.15閲覧)
実際に走っていると約5キロごとに給水エイドがあるので、ボランティアさんが準備してくれた紙コップを2口くらいを飲みます。それ以上は吸収されないで汗か尿になってしまいます。
汗ならば体内の塩分量が減少して足が攣ったりするし、尿ならばトイレに並んでタイムをロスするというわけです。ランナーの数は2万人にも及びますからトイレは長時間並ぶことになります。
都市型のマラソンは参加人数が多くて最低でも1万人くらいになります。市中の交通を規制して、観光名所があれば通過してランナーには至れり尽くせりです。
でも準備は大変です。
2016年10月30日に開催された大阪マラソンは沿道整理のボランティアで参加しました。そのとき警察が大きな交差点を封鎖する一部始終を見学することができました。
まず車を排出して交差点をカラにします。それから指定された場所に急いでコーンを並べ来ます。沿道はテープで観客が道路に出られないようにします。テレビ中継車や写真撮影のカメラマンなどが場所を決めてセッティングを行います。
準備ができたらまず車椅子レーサー、それから招待選手を筆頭に数時間かけて3万人のランナーが目の前を駆け抜けます。
よく時代小説の合戦シーンで数万人の軍勢という描写が出てきますが、武装こそしていないものの、目の前を走るランナーは体も鍛えているので、まさに姫路から山崎の合戦にひた走る秀吉の軍勢を想像してしまいます。
3万人の軍勢はこんな風に駆け抜けたかと思うとワクワクしてきます。最後のほうのランナーはほとんど歩いています。その後ろを収容バスが追いかけていきます。いわば落ち武者狩りです。(笑)
自分がランナーならば、落ち武者にはなりたくないと思いながら見ていました。
ランナーが通り過ぎると後片付けです。すべて警察の指示により交差点の封鎖を解除していきます。コーンの片づけから沿道のテープ除去などのあと、再び車が入ってきて交差点は通常の姿に戻ります。
交差点一つでもこんなに時間と手間がかかるのですから、数十あるエイドの設営や散乱した紙コップなどの後片付けや、ゴールでも完走メダルやバスタオルなどの配布、そして医師や看護師を中心とする医療スタッフの皆さんには頭が下がります。
ボランティアをやってみると裏方という言葉の意味が分かるような気がしました。苦情を言われ、言いたくないことを言わねばならないこともあります。
もちろん感謝されることもありますが、大きなイベントを成功させるためにいろいろ苦労されている方がいることに感謝の気持ちを抱きます。
ボランティアを経験してよかったなと思うのは、自分が感謝する気持ちを持てたことでした。
神戸マラソンには午前6時発の電車で奈良から出かけました。早朝に駅に着くと数人の男女が暗がりの中で黙々と落ち葉掃除をしています。おそらくボランティアでしょう。
日曜日の早朝で見る人もいませんが、もしも僕が感じたように、感謝されるためでなく、感謝するために活動されていたのであれば、素晴らしい生き方だと思います。