定年退職して自宅にいると金融機関からよく電話がかかってきます。通常は「退職金などの運用のご提案をさせていただきたいのですが」という電話なので「要りません」と言ってお断りします。(笑)
でも時々具体的に「今なら金利が高い預金と投資信託の組み合わせができる」とか「限定販売ですが、A商品からB商品に乗り換えると儲かります」などといった勧誘がかかってくることがあります。
かなり以前の話ですが、僕は金融機関にいたころに機関投資家向けに金融商品の設計をしていたことがあります。スワップやオプションを組み込み、海外と国内の税制の違いを活用した商品などを提案していました。
現在はそのころにプロの投資家向けに作っていた商品が小口化して個人投資家や一般個人向けに売られています。
かつては金融機関と機関投資家としてお互いにリスクを承知して提案し受け入れていた商品が、リスクの本質は変わっていないのに一般に拡散しているのは個人的にはやや不安です。
自宅にかかってくる電話には女性が多いのですが、経験が浅そうな方には自分が販売している商品のリスクを僕が説明することがあります。(信用リスクの差がプライスの差になっている、など)
でも説明してもリスクがほとんど同じで、単純に顧客の得になると信じて販売している人に納得してもらうのは難しいことです。
(そう信じろと言われているのかもしれませんが)
そういう時は「ため息」とともに電話を切ります。