2017年6月7日付のダイヤモンドオンラインに、日本の社会保障政策に関連した記事が掲載されていました。
http://diamond.jp/articles/-/130829
筆者の本川さんの投稿は初めて読みましたが、データを示しながら日本の社会保障政策が高齢者優遇であることと、日本の高齢者がそのことに気づきだして、もっと若い世代を優遇すべきと考える人が増えてきていると分析しています。
記事の内容を簡単に紹介します。
内閣府が5年に一度、主要国の60歳以上の高齢者に対して行っている調査を分析すると、日本の高齢者の特徴が浮かび上がります。
まず他国(スウェーデン、ドイツ、フランス、韓国、米国など)と比べると生活の困窮やストレスといった悩みが少ないこと。そして戦後から時系列的にみると、男女とも自殺率が急降下していることです。
これは国民皆保険による医療アクセスの改善が病苦を減少させ、年金制度の充実が子どもに頼らず生活することを可能にしたと分析しています。
つまり社会保障制度の充実がもたらしたものです。
次に運動習慣を見てみると、70歳代以上で運動する人の割合が増加しているのに、50歳代以下では運動習慣が後退気味だそうです。
これは高齢者優遇の社会環境がなせるわざではないかとのご意見です。
高齢化が進むということは、選挙権を持つ人口が高齢者に偏るということですので、政治家は選挙に勝つために高齢者優遇の政策を選択せざるを得ないのでしょうね。
もしかしたら政治家自身も高齢化しているので、「為政者の保身」の要素が加わって、より一層、高齢者よりの政策がとられている可能性もありますね。
社会保障を学習していると、現時点での生産物の分配はもちろん大切ですが、将来の生産物をどのように分配するかが重要であることがわかります。
このまま高齢者優遇政策を継続・拡大することは、いずれ高齢者世代も若い世代もともに生活が上手くいかなくなる可能性があるのではないかと心配になります。