• 定年男子のランとマネー

先日、神経痛のリハビリのため、仕事の帰りに整形外科に寄って、椅子に座って腰を温めているときに、器具担当の女性と雑談しました。

話題は歯科医院の過剰。

「歯医者さんはコンビニ店舗数よりも多いそうですね」と女性。

「そうらしいですね。この前、歯医者でそれを言ったら、整骨院の方が多いですよと言われました 笑」と腰を温めて身動き不能な私。

<医者と弁護士>

人口減少が進む中で、都市部では過剰に設置されたサービスの淘汰が進みます。

医者と弁護士といえば、それぞれ理系と文系の最難関資格で、国家試験に合格すれば生涯の

生活が保障された時代がありました。

ところが最近は、病院や医院の倒産が増加しているようです。

恐らく病院は、患者が減少しているのに対して、初期の設備投資と開業以降の人件費負担が大きく、借り入れを返済できないのだと思います。

弁護士事務所についてはよく知らないのですが、一部を除いて若手の弁護士さんたちの

生活は、必ずしも余裕がたっぶりではなさそうです。

このようになった原因はいろいろあると思いますが、医者も弁護士も定年がないことで、

シニアになっても仕事を続けるので、若手には儲かる仕事が回ってこないのかもしれません。

或いは、日本の人口減少が進む中で、医療費負担が上昇し医者に行かなくなることや、

弁護士に依頼する事案が減少していることも考えられます。

要するに、人口というマーケットが縮小していることに対して、医者・弁護士の退出が少ないので、相対的に過剰になっているわけです。

<高齢者と若者>

他にも過剰なものはたくさんあります。

例えば、私を含めた高齢者。

不足するのは若者。

数年前から賃上げが進んでいます。

特に大企業をはじめとして初任給が大幅に上昇しているようです。

若者は希少価値なので、高い値段が付くということですね。

反対に、高齢者は余っていて、年金受給額はほとんど上昇しない。

今年、2025年は、団塊世代が全員後期高齢者になる年です。

ある人は、2025年を「多死時代の始まり」と言っています。

団塊世代及びそれ以上の世代の方々は、都市部を中心に持ち家を保有している方が多いので、多死時代は相続時代で、家余りが加速すると予測する人がいます。

というのは、団塊世代の子供世代も、既に持ち家を保有している人が多いので、親の家は

住む必要がなく、空き家が増えるというのです。

不足する若者はどうでしょう。

かつて昭和の時代に「木綿のハンカチーフ」という歌がありました。

ときどき「昭和の歌謡曲」などのテレビ番組で取り上げられていますね。

この歌は、故郷から出て行った男性の恋人との別れを歌った歌です。

徐々に都会化していく恋人に対して、故郷を離れられない女性が、寂しく別れを実感します。

しかしこれは昭和の話で、現代では、男性も女性も故郷から都会に出ていきますね。

意図的に故郷に残る若い人もいますが、全体的に故郷は若者不足です。

そうすると、故郷は高齢者の里になり、人口減少とともに税収が減り、結果的に公共サービスが低下します。

高齢の親世代が亡くなって、家が空き家になっても、誰も住みません。

一時期、市町村の合併が進みましたが、自治体の維持が難しくなって、更に市町村の合併が

進むと思います。

ついでに地方の金融機関の再編も進むでしょうね。

<お金>

過剰なものは、まだあります。

例えばお金。

「異次元の金融緩和」のおかげで、市場にはお金が溢れています。

お金が溢れて、金利が安いのにも拘らず、企業が、日本での新しいビジネスの為の設備投資を怠ったので、溢れたお金は国内の不動産と、海外投資に流れました。

米国をはじめとした世界の株高と、不動産の高騰のスポンサーは、日銀とFRBです。笑

この流れはまだ続いていますが、途中で起きたウクライナ戦争で、サプライサイドも制約により大きな影響を受け、世界的なインフレーションを発生させて、2024年の選挙では、世界各国の政権与党がほとんど負けるということになりました。

<老後の生活>

このように、過剰なものと、不足するものを、並べて考えてみると、一人の高齢者としては

自然と、残された人生を、どのように過ごしていくかを考えますね。

私の結論としては、高齢者の多い地域から、若者の多い地域への移動。

人口が減っていく地域から、できれば人口が増えていく地域への移動。

デフレからインフレに変わったのであれば、持っているお金の範囲内で、

欲しいものは今買う。

欲しいサービスは、今使う。

保有することでコストが発生するものは、売却するか、廃棄する。

生活は、できる限りコンパクトにする。

あとは、生活を楽しむために、健康でいる時間を、できるだけ長くする。

簡単なところでは、できるだけ歩いて行動する。

といったところでしょうか。


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