年明けのテレビニュースでは、食料品を始めとする大幅な値上げと、値上げを嘆く消費者の映像で持ち切りです。
今年の正月は寝正月だったのですが、おっとり刀で、妻のあとをついて買い物に行ってみると、確かに高い!
それも(記憶ベースの比較ですが)数パーセントではなく、二桁パーセントの値上げに見えました。
ヒマに任せて、YouTubeなどを眺めていると、「日本で750円のマクドナルドセットが、
ニューヨークでは3000円するらしい。こんなことはあり得ない!」などと声高に発言する人がいました。
ニューヨークは、もともと、なんでも高いのですが、本当にマックセットが3000円も
するならば、確かにこれは異常です。
話半分で1500円としても、日本の2倍です。
「長期的に価格は平均化する」という法則にしたがえば、両国のマックセットの値段は
1125円に収束するはずです。
それでも、日本にとっては50%のインフレです。
ところが、日本が食料はじめいろいろな物資のほとんどを、輸入に依存していると考えれば、
マックセットの値段は、平均に落ち着くのではなく、おそらく1500円に向かって上がっていくでしょう。
つまりインフレ率は100%です。
(お金の価値は半減します)
まるで、私が子供のころに経験した「狂乱物価」の時代ですね。
当時は、田中角栄首相の列島改造論、オイルショックと金融緩和でインフレが進み、
店頭からトイレットペーパーが無くなったと騒ぎになりました 笑
改めて2024年を振り返れば、年初来、各国です選挙が続き、日本をはじめほとんどの国の選挙で、既存の政権が支持を失いました。
私は、ある大学でアメリカ政治の授業を受け持っている関係で、米国の大統領選挙を注視していて、2024年夏ごろまでは、米国の経済状況が良いから民主党有利、または対等に戦うと思っていました。
ところがふたを開ければ、ご存知のようにトランプの共和党の圧勝でした。
後付けで考えてみると、経済状況が良いというのは、アメリカの場合は株高で
現れていましたが、株高の恩恵を受けるのは、資本家などの富裕層です。
一般の労働者や高齢者・若者は、急激なインフレに置いていかれ、生活を脅かされていたので、インフレ対策が不十分と思われた民主党政権が見限られたのでしょうね。
そこへ、救世主のような顔をしたトランプが現れた(?)ということですが、トランプは
正真正銘の資本家で富裕層なので、おそらく低所得者層向けの政策は採用しないでしょう。
トランプ政権が発足してみないと、新政権が一体何をやろうとしているかは、はっきりとは
分かりませんが、もしも低所得者層を切り捨てるような政策を採用するならば、
米国内のあちこちで不満が爆発する懸念があります。
(既に2年後の中間選挙で、共和党の敗北を予想する人もいるくらいです 笑)
米国や日本と同じく、独裁国家であるロシア・中国・北朝鮮などでも、インフレは同じように起こっているはずなので、3国の指導者が、民衆の不満をどのようにしてコントロールしようとするかには、個人的にも大きな関心があります。
2025年は、今まで溜まったマグマが噴き出す年になるのか、表面上は何事もなく、
静かに過ぎていく年になるのか、もしかしたら歴史の大きな転換点になる年かもしれませんね。 高齢の小市民である私は、1年が無事に穏やかに過ぎて行ってくれることを願います