• 定年男子のランとマネー

奈良県から、大阪府の南を通り、和歌山県に続くダイヤモンドトレイルを縦走する大会は、

毎年春と秋に行われます。

春は大阪府山岳連盟が主催し、秋は大阪府勤労者山岳連盟が主催します。

両大会共に、市民に山歩きを楽しんでもらうという趣旨で、山岳会の方がボランティアで

支援していただき、参加料も安いです。

秋のダイトレは、このインフレの時代に、参加料がたったの1000円。

その代わり、Tシャツなどの参加賞もなく、水分や食料補給のためのエイドもありません。

トレイルランで走る人は、一般の大会では荷物をスタートからゴールまで別送してもらうことが多いのですが、この大会では、そのようなサービスが無いので、自分で水・食料・ラン後の着替えなどを背負って走ります。

したがって、普通のトレイル大会に比べて、ランナーの荷物が膨らんで大きくなっています。

例年は春のダイトレに参加して、秋はウルトラマラソンなどを走っているのですが、今年は

大阪市内に引っ越して、山に行く機会が減ったので、静かな山を歩きたくなって、春に続いて秋の大会にエントリーしました。

10月20日早朝、自宅近くの駅から始発に近い電車に乗って、午前6時半過ぎに、近鉄南大阪線当麻寺駅に到着。

車内は、山登りや山走の恰好をした人達が、沢山いました。

受付場所に着いて、自分の番号を言って1000円を払い、午前6時48分にスタートです。

以前にトレイルを走っていたころは、スタートから早速走り出しましたが、今年くらいから

タイムに拘らず、山歩きを楽しもうと考えて、参加者の歩調に合わせて、のんびりと歩き出しました。

當麻寺を過ぎて祐泉寺を越えていくと、春のコースとは少し違って、馬の背まで一度上がり、

岩屋まで降りてダイヤモンドトレイルに入っていくコースでした。

春のコースよりも2キロくらい長くなりますね。

竹ノ内峠を過ぎて、久しぶりに山の静けさに浸っていると、賑やかな話声が聞こえてきました。

女性二人連れが、ひっきりなしに、大きな声で話しながら登ってきました。

しばらく一緒に登っていましたが、あまりの賑やかさに、少し立ちどまってやり過ごすことにしました。

「よくあんなに、ずっと喋っていられるなあ」

近くにいた男性登山者の独り言が、聞こえてきました。

平石峠からは、おなじみの本格的な階段地獄が始まりましたが、久しぶりで懐かしかったですね 笑

岩橋山で少しだけ補給食を食べ、直後のV字階段を乗り切って、ひたすら大和葛城山に向かいました。

気温はやや低めでしたが、途中から陽が照ってきて、階段を登っている人に軽く声掛けして気持ちよく進むことができました。

「山はいいなあ」と感じる瞬間ですね。

葛城山が最初の関門です。

先へ行くなら午後1時までに関門を越えねばなりません。

私は午前10時48分に到着したので、このまま通過することに。

スタートからちょうど4時間です。

走っていたころ3時間でした。苦笑

スタッフさんたちが用意してくれた豚汁を戴き、持参のパンも食べて、難所の水越峠から

金剛山への登りに向けて、パワーアップしました 笑

水越峠からの道は。急いでおりると怪我をしかねないので、慎重に下りました。

ここで脚を使ってしまうと、次の金剛山の登りがきついので、計算しながらです。

幸い、トレイルランナーたちは、早めの始発でやってきて、すでに大半が先に行っているようで追い抜く人は限られていました。

無理に抜こうとする人がいると、怖いし危ないですからね。

金剛山の関門通過時間は午後2時です。

結構厳しい時間です。

私は午後1時25分に着きました。

ここまで6時間37分ですね。

スタッフさんからミルクティーを戴きました。

葛城山から金剛山まで2時間半かかっています。

走っていたころは2時間を目途にしていたので、だいぶスローペースです。

ここから13キロ。

2個目のパンを食べて立ち上がりました。

紀見峠までは、基本的に下り基調なので、走れる区間なのですが、今回の目標は山歩きを

楽しむことなので、無理せずに行くことにしました。

うっかりとライトを忘れたので、陽のあるうちにゴールすることが目標です 笑

金剛山から行者杉までは、山ガールさんとつかず離れず歩きました。

時々会話する機会があって、過去に登った山の話などをしましたね。

アルプスや東北の山などの思い出話や経験談を聞いていました。

行者杉では、スタッフさんが、ぜんざいを用意してくれていました。

甘くて美味しかった。

ここからゴールまで約8キロ。

最後の補給食を食べてスタートしました。

行者杉で山ガールさんと別れて歩いていると、好いペースで歩く男性を見つけました。

山道を足早に行くので、山慣れした感じで、その人のペースに合わせて歩くことにしました。

かなり足早に歩く人で、うっかりすると置いていかれそうなので、ポールを使って小走りしながら追走していると、立ち止まって道を譲ろうとします。

「いやいや、抜く気はないです。ペーサーで引っ張ってもらっていますから、

そのまま行ってください」

というと、

「私も付いて行っています」

という女性の声。

山ガールさんかなと振り返ると、別の背の高い女性がいました 笑

先頭の男性は「プレッシャーやなー!」と言いながら、先へ進んでくれました 笑

山歴10年超のベテラン山男です。

ダイトレのほかに六甲山縦走など、関西の山を中心に活動しているそうです。

長い下り道を過ぎ、紀見峠駅へ向かうロードに出たときに、男性は

「ここからゴールの駅までロードが長いんですよ」

私は「ここはいつも走っています。お返しに今度は引っ張ります。走りましょう!」

と走り出すと、あとから来た女性も走り出し、3人でゴールまでランニングになりました。

女性はバドミントン経験者らしく、ロードランにも軽快な足取りで付いてきます。

山は今年5月に始めたばかりで、富士山登山してハマったそうです。

生駒山に登ることが多いようですが、六甲山はじめ、いろいろな山に行きたいとのこと。

すぐに各地の山に登りに行きそうな感じでしたね 笑

ゴールに着くと、スタッフさんがゴールテープをもって立っていたので、3人が横並びでゴールインしました。

私の時間は午後4時40分。

スタートから9時間52分です。

春のダイトレは9時間13分だったので、かなりゆっくりです。

でも、最後に2人の仲間と会えて、一緒にゴールで来たので最高でした。

記録を見ると、累積の登りが2475m,下りが2330mでした。

紀見峠駅から大阪市内まで、電車内で3人で山の話をしながら帰りました。

初対面でも趣味が同じだと話が弾みますね。

あっという間に市内に着きました。

「筋肉痛お大事に!」

「明日の仕事が心配です」

などと冗談を言い交わしながら、それぞれの家路に向かいました。

充実した、好い一日でした。


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