• 定年男子のランとマネー

7月27日、スイス領事館主催のフィンテックセミナーに参加して、「国際金融都市大阪」プログラムの内容を紹介するプレゼンテーションをやってきました。

このセミナー登壇は今年で3回目になります。

3年前に大阪府市の後援で、第1回目の開催をサポートしたことから、毎回スピーカーとして呼んでいただいています。

領事をはじめ領事館の方々とも、かなり顔なじみになりましたね。

私のプレゼンは、自分の職場である「国際金融ワンストップサポートセンター大阪」の業務内容の紹介だったのですが、過去3年間にサポートしてきた会社の事例として、ブロックチェイン技術に基づいた、分散型金融(Decentralized Finance)の会社と、同じくブロックチェイン技術に基づいたKYC(Know Your Customer 本人確認)の会社を紹介しました。

ところで今回はWEB3での女性の活躍が一つのテーマで、スイスから来た二人の女性スピーカーの話を楽しみにしていました。

二人はともに弁護士資格を持つ起業家で、関係している仕事は暗号資産でした。

二人は、EUにおける暗号資産の規制の現状と今後の方向性について、多様な観点から

講演をしてくれました。

講演後に交流会はあったので、一人と暗号資産の法的規制について、日本では定義の明確化などが進み、多少とも進歩していると思うと話したところ、日本では規制が厳しくて、ビジネスを行う人たちが、シンガポールやドバイに逃げていると聞いていると返されました 笑

仮想通貨業界団体が税制改正要望 ETF解禁の足掛かりに – 日本経済新聞 (nikkei.com) (2024/7/31)

もう一人とは、トレイルランの話をしました。笑

2019年に参加した、アイガーウルトラトレイルのことを言うと、大会のことを知っていて「タフな大会だ」と言っていました。

自分もトレイルを走ったことがあって、55キロのレースを完走したら、「トレイルは100キロからだ」と言われたと苦笑していました。

彼女はセミナーの翌日に富士山に登って、ご来光を見るとのことなので、私も週末に六甲山にトレランに行く予定と伝えたら、「あなたはまだ走っているのか?」と感心されました 苦笑

二人の弁護士さんのほかにも、交流会では、スイスからやってきた暗号資産関係の人たちと当局の規制を含めいろいろな話をしました。

そんな話をしながら思い出していたのが、かつてバブルのころに日本の規制当局が、スワップやオプションなどの金融技術を駆使した、既存の法律的にはグレーだった新しいタイプの金融ビジネスに迅速に対応しきれずにいる中で、外資系金融機関がどんどんリスクを取って荒稼ぎしていたことです。

そのあとで日本の規制当局が規制を強化し始めたころには、外資系金融機関は(多分)十分な収益を上げて、撤退するところは撤退したように思います。

また、当局の規制強化の結果、バブルが崩壊して、銀行が不良資産回収に苦しんでいるときに、欧米の規制当局が規定した不良債権回収ルールを導入して、金融機関の倒産リスクを

いとわずに、徹底的に債権回収を行わせました。

おかげで、銀行の不良債権は無くなりましたが、個人的には、そのとき銀行に染み付いた慎重な融資姿勢によって事業資金の調達に苦労した産業界が、かつては持っていた進取の気性を失ったことが、結果的に日本経済が「失われた30年」を迎える一つの要因になったと思います。

現在の金融規制当局は、当時よりは柔軟な気もしますが、金融規制を緩和するといっても

税制や会計ルールなどにも大きな影響を及ぼしますから、現実に合わせてルールを変えたり作ったりするときには、既得権益グループとの激しい戦いがあるでしょうね。

現在パリオリンピックが開催されていますが、スケートボードで14~5歳の女子がメダルを取り、サッカーでハーフの選手が活躍しているのを見ると、金融の世界でも、若い人や多様性を持った人が、もっともっと活躍できるように法律や規則を明確化して、できるだけ自由な方向に変えていってほしいと思います。


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