現役社会人の時に、酒席などで「日本は、世界で最も成功した社会主義国家である」
という言葉を、何回となく言ったことがありますが、定年退職後の生活実感としては、
成功したか否かは別にして、「日本は社会主義国家以上に社会主義かもしれない」
と思います。笑
長く金融という世界にいると、海外では「強欲」が当たり前なのですが、日本では金融すら
「調和と平等」に重点を置いているように感じます。笑
資本主義の権化である金融までもが、社会主義化しているのです 笑
日本の政治家は、基本的に左派の経済政策を支持しています。
年金を安定化させるために、保険料の値上げは已むを得ない。
国民皆保険を守るために、医療費の増大も已むを得ない。
住民へのサービスを維持するために、住民税・国民健康保険料・介護保険料の増加も
已むを得ない
この結果、勤労者の平均手取り年収は、(総年収が増えないので)下降の一途となりました。
ほかの経済政策を選ぶ政治家は、見渡すところ何処にもいないので、国民は社会主義経済
政策を信奉する政治家に投票するしかありません。
平等が行き過ぎると、働いても、働かなくても、評価イコール収入は変わらないので、
勤労者の年齢が上がるほどに「働かないおじさん(おばさん?)」を生産します。笑
若い人が「管理職になりたくない」というのも、原因は同じかもしれませんね。
結果的に、経済が成長を止めてしまって、国力も国民の収入も停滞するという循環に
陥ります。
日本という国は、かつての人気漫画「宇宙戦艦ヤマト」が向かった惑星イスカンダルのように、平和のためにすべてを諦めて、人口が減って滅びてしまっても良いと決断しているのでしょうか?
でも、その割には、GDPが中国に抜かれ、ドイツに抜かれ、すぐにインドに抜かれると
メディアは、悔しそうに報じています。
日本の社会主義化には、メディアがかなり貢献しているのですが、ある種のランキングには
拘るのですね 笑
平等を望み、成長を望まない日本は、世界では特異な国です。
ほかの国々は、一般的に成長を望み、成長に伴う多少のインフレを受容しているようです。
経済成長で毎年1~2%の差が継続すると、10年経過したら大きな差になります。
日本以外の国で、経済が成長し、物価が上がっているのに、日本の物価だけが低いままでは
理屈に合いません。
おそらく、経済が成長しない日本では、給料は据え置きですが、社会保険料と物価だけが
上がっていく社会になるでしょう。
貧乏生活が嫌な人たちは、起業するか資産運用に活路を求めるでしょう。
貧乏生活を受け入れる人は、節約に励むでしょう。
そうすると、大きな貧富の格差社会が形成され、社会不安が生まれます。
そのときメディアはどのように報じるのでしょう?
「政治の失敗」とか「政治家が無能」とかでしょうか?
少なくとも、成功した富裕層は、そのような日本から逃げ出すでしょうね。
やる気のある若い人も、海外で仕事することを選ぶでしょう。
海外に行きたくない、やる気も出したくない人は、どうすれば良いでしょう?
もしも日本に残って、ある程度の生活を送りたいのであれば、少なくとも防衛的な資産運用は
やったほうが良いと思います。
新しい日本銀行券が発行されていますが、インフレがこのまま昂進すると信じるならば、
できれば現金の保有は必要最小限にとどめることをお勧めします。