• 定年男子のランとマネー

古代インド人が考えたと言われる「四住期」は、人は「学生期」「家住期」「林住期」「遊行期」を生きるという考え方です。

「学生期」は、一人前になるために学習する期間

「家住期」は、家族や社会のために、働いて稼ぐ期間

「林住期」は、(古代インドでは)家族を離れ、林の中で瞑想する、人生の黄金期間です。

「遊行期」は、人生の最後を迎えるために準備する期間

日本では、家族を離れて林の中で瞑想していると、下手をすると帰るところが無くなります。しかし、職場社会などのしがらみから自由になって、自分の人生を楽しむことが可能になるという意味では、「林住期」は、やはり「人生の黄金期間」といえるでしょう。

林住期が何歳ころからかは、社会情勢や個人の家庭環境などにもよりますが、会社員なら

出世の限界が見える50歳くらいから、そろそろ考えだして、60歳の定年を迎えるころに、

身体活動が維持できる75歳くらいまで(林住期)の準備が出来ているのが、理想でしょうね。

私の林住期

私の場合で言えば、50歳で当初勤めた会社を退職したときに、75歳まで働くことを決めて、そのために必要なことを考えました。

一つ目は、資産運用。いつ会社を辞めても大丈夫なように、金銭的基盤を造ること。

二つ目は、新しい社会情勢に適応できるための再学習。

三つ目は、職場仲間以外の新しい居場所探し。

資産運用は、勝つよりも、負けないことを考えて、世界株式を対象にして積み立て投資を

気長にやれば、大損をすることは無いだろうと思いましたが、20年前は、「オルカン」のような投資対象が無くて、いろいろな商品を組み合わせて、自分のポートフォリオを作っていました。

御多分に漏れず、リーマンショックで手痛い失敗をして、その後の運用方針を、個人向け

国債中心にしたので、アベノミクス以降の世界的に好調だった株式相場に乗っかれたわけではありませんが、そのあと勤務した会社で定年を迎えるころには、まあまあ大丈夫な程度にはなっていました。

そうなると現金なもので、嫌いだった会社の仕事も淡々とこなせるようになりました。笑

再学習では、資産運用を行う上で、海外の実態を知りたくて、3つ目の会社在職中に、放送大学大学院で国際政治の修士課程に入学しました。

ゼミ生の主体は米国や中東専攻でしたが、私はスペインの民主化をテーマにして、論文を書きました。

このときに学んだことが、大学のシニアコースで、国際政治(米国)の授業を行う上で、

大変役にたっています。

当時の勤務先の経営者が、従業員は会社のために100%働くべきといった考えだったので、会社には言わずに、時間を作って学習したのですが、職場以外の居場所を持つことは、楽しかったですね。

国際政治課程を修了したころに、会社全体の基幹システム入れ替えの責任者になって

システムベンダーなどと話す機会が増えると、ITを理解したくなってきました。

そこで、国際政治のあと、続けて、同じ放送大学大学院の情報学修士課程に入学しました。

ちょうど、会社の基幹システムで、データベースの移管が課題になっていたので、

大学院ではデータベースを専攻。論文のテーマは、テキストマイニングです。

論文用に小さなデータベースを自分で作ったこと、授業で自然言語処理など、現在の生成AIにも関連することを多少学習したことは、現在の「国際金融都市大阪」プロジェクト窓口

相談員という仕事に役立っています。

最後の仲間つくりですが、大学院のゼミ仲間は殆ど東京なので、一部の友人を除いて、

継続的なお付き合いはできていません。

代わりに、3つ目の会社を退職直後に取得したFP資格を使って、個人事業主として

開業したので、FP業務に関連した友人知人が沢山出来ました。

一番お世話になったのは、今年1月に亡くなった大江英樹さんですね。

大江さんの繋がりで知り合った人は、相当な数に登ります。

それから、趣味のトレイルランニング仲間。

トレランのようなマイナーなスポーツをやっていると、世間が狭いので、あちこちの大会で

会ったり、共通の友達が多かったりしますね。

友達同士で、一緒に山へ走りに行くのも楽しいひと時です。

私の遊行期

もうすぐ70歳になる私には、そろそろ遊行期が見えてきました。笑

今月のKobo Trail DtoKはDNFだったので、ぼつぼつ大会に出るのは難しくなってきているのでしょうね。残念ですが。

「遊行期」の準備として行ったのが「転居」

奈良の田舎の自然豊かな環境で、家族やペットと暮らした「林住期」から、身体が動かなくなったときに備えて、便利でコンパクトな大阪市内への移転です。

現在の職場は5つ目で、オフィスは梅田にあります。

FPとしてバーチャルで借りているオフィスも梅田。

通院している病院は、大阪城近辺。

というわけで、大阪市内に転居しました。

今の仕事は1年ごとの契約なので、いつまでやれるかは分かりませんが、一応、生まれ故郷の大阪に貢献できる仕事なので、できる範囲で継続したいと思っています。

FPの仕事は、特に宣伝もしていないのですが、HPなどを見て、時々お客様が相談に来られます。

できるだけお客様の人生が豊かになるようなアドバイスを心がけていますが、お客様が

私のアドバイスに納得されて、笑顔で帰られると嬉しいですね。

あとの時間は、英語やスペイン語の書籍を読み、晴れた日は大阪市内の探検をしています。

先週から、中国語と囲碁の学習を始めました。

どこまで続くか分かりませんが、林住期から遊行期への移行期なので、人の目や結果は

気にしないで、好きなことを自由に、できなくなるまで、やっていけたらと思います。

「遊行期」開始の目安は、大体75歳くらいでしょう。

そのころには、大阪府市の仕事も終わっていると思います。

FPの仕事も、手仕舞いしている可能性が高いですね。

したがって、頭がしっかりしているならば、長く慣れ親しんだ外国語で遊んでいるか、

近くの公園やジムで、よたよたと運動のマネごとをしていると思います。

もう少し年を取ると、ポールに頼って散歩しているかも 笑

あと5年程度で「遊行期」と思って、できる範囲で準備をやりたいと思います。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA