2月19日のFP相談に来られたのは、米国で長年、大学教授を歴任されて、3年前に帰国されたご夫婦。年齢は70歳代。
米国の年金制度は、日本の公的年金制度に劣後するという人もいますが、米国で20年間
社会保険料を払い続けると、満額が支給されます。
(20年間にわたり勤続すること自体が、難しい人も多いのですが)
現在は円安の恩恵もあるので、満額支給ならば、日本の公的年金よりも多いかもしれません。
更に、大学教授ならば、教員組合の年金もあるはずなので、生活にお困りということではなく、
相談内容は、おそらく老後の資産運用のお話とあたりをつけて、面談に臨みました。
面談に来られたご夫婦のお話は、案の定、老後の資産運用でした。
FPとして、資産内容を見ると、多少余命が伸びても大丈夫なように思えますが、いくら資産があっても、老後の不安を持つ方は、やはり不安を持ちますね。苦笑
年初に亡くなった経済コラムニストの大江英樹さんが、よく言っていましたが、「事前に老後を経験してから、老後生活に入る人はいない」
つまり、全員が初体験です 笑
90分にわたり、色々なご質問を頂きましたが、結果的にお薦めしたのは2点だけ。
・資産金額を維持したいならば、個人向け国債や米国債を購入すればよいが、この先の経済を考えて
インフレに負けることが心配なら、少しずつ低コストの投資信託の積み立てをやってみて、
自分自身のリスク耐性(許容度)を知ってください。
・初めに投資方針書を作って、半年か、一年ごとに見直してください。
学者の論文に例えると、投資方針書は「仮説」で、それを実証して論文にする為の
「エビデンス収集」が実際の投資行為なので、自分の行った投資行為に対する自分自身の
反応をエビデンスとして、投資方針書と照らし合わせて、自分の投資スタイルを考えて
ください。
最後に、「わからないことがあれば、また相談に来てもよいか?」と聞かれたので、
たぶん面談には、ある程度ご満足いただけたと思います。
初めはやや深刻な表情だったお客様が、相談が終わってから、
にこやかな笑顔になって帰られると、相談をお受けして良かったなと思いますね。