7月24日、園田学園女子大学で3回担当した授業が終わりました。
阪急塚口駅を出て、暑~い中を10分少し歩いて通うのも、今日が最後だなと思いながら
やっぱり暑いな、女子学生たちはよくこんな暑さの中を歩いて学校に通っているなと感心しておりました。
シニアコースでは「けやき便り」という小冊子を年に2回発行しています。
今回で28号なので、すでに14年続いているわけですね。
前回の授業ときに手渡されたので、少し読んでみたのですが、シニアコースは3年制で
大学と同じようなキャンパス生活を送れることが魅力のようです。
私が学習した放送大学は、各県にセンターがあり、試験の時には通いましたが、そのほかは
ほとんど行く機会がありませんでした。
園田学園のシニアコースは、実際に学校に来て、現役の大学生が使っている教室で授業を受け、その上にいろいろなクラブ活動が楽しめます。
高校卒業後に大学へ行く機会が無かった方、定年後にもう一度大学生活を体験したい方などが、コースを履修されているようでした。
「けやき便り」の「けやき」は、正門からまっすぐ伸びた道の両側に、沢山のけやきの木が
植えられていて、「けやきアベニュー」と名付けられたことが由来です。
最終授業の初めに、学生さんたち(といっても、ほとんど私と同世代か年長)にそんな
問いかけをしてから、授業を始めました。
まず初めは、前回の授業の最後に聞かれた質問です。
「(米国の黒人差別のことは分かりましたが)ユダヤ人差別はどうですか?」
ご質問を頂いてから、いくつか論文を調べましたが、少なくとも米国では、ナチスのホロコーストのような、明確なユダヤ人差別は無かったようです。
私の娘は、5歳から10歳まで米国に暮らしましたが、学校でも黒人やユダヤ人の先生が
担任だったこともあります。
その時のことなどをお話しして、普段の生活でもユダヤ人差別を感じることは無かったと
伝えました。
逆に、米国の人口の約2%しかいないユダヤ人が、米国社会で果たしている大きな役割についてお話しました。
授業のテーマは米中対立だったのですが、中国の「一帯一路」政策の一環として、
中国から中東(アラブ諸国・イスラエル・パレスチナなど)への外交政策を話したときに、
米国におけるユダヤ人パワーと、イスラエルの関係についても少し言及しました。
私の放送大学時代の指導教官である高橋和夫先生のブログを引用しながら、中国の中東に
対する八方美人外交は行き詰まりが見えてきたことと、アラブ諸国はイスラム教の教えに従って、米国を第1夫人、中国を第2夫人として扱うのではないかという説を使って
説明しました。(イスラム教は第4夫人まで許されるようです)
また、私のオリジナル説(?)と言って、中国=陸の帝国、米国=海の帝国とすれば、陸から見れば
太平洋に出口を求める陸の帝国に蓋をしているのが日本列島であり台湾島であること。
海から見れば、日本列島の防衛線を突破されれば、ハワイまで後退せざるを得ない海の帝国にとり、
日本は最前線にある「不沈空母」に相当することを、(少し地政学を交えながら)お話ししました。
授業の最後に、これまで3回にわたって話したこと基に、来年の米国大統領選挙の動きを見て、米国・中国そして日本がどのような影響を受けるかを、自身の頭でしっかりと考えてくださいとお願いして、90分の締めにしました。
授業が終わって片付けていると、事務局の女性が入ってきたので、あとをお願いして退出しようとしたら、その人が「廊下で学生さんに、ちょっと、と呼び止められて、面白かった!
と言われました。来年またお願いします」と言われました。
思わずニコッとしましたが、(お世辞あるよな)と思って「もうネタ切れですよ」と答えて帰りましたが、帰りの電車は気分が良かったですね。
自分の興味があることを、一生懸命調べて、できるだけ面白さが伝わるように話したのですが、事務局の女性の一言で、90分×3回分の疲れが吹き飛びました。
大学の授業は初体験でしたが、思い切ってやってよかったですね。