5月17日、日本FP協会主催の投資助言業についてのWEBセミナーに参加しました。
経験豊富な講師が、3時間にわたって、ご自身の経験、考え方、事業内容などをつぶさに
説明した、内容が濃いセミナーでした。
私がこのセミナーに参加した理由は、現在、金融庁を中心に、FPに限定的な投資助言の
資格を付与することを検討中らしいので、話が具体化する前に、投資助言業の中身を知っておこうと思ったからです。
セミナーの内容は、有料なので紹介できませんが、感じたことを書いてみます。
まず、金融仲介業は、簡単に言えば、金融商品の販売員のことで、日本では独立系では
IFAと呼ばれている人たちが、最もこれに該当すると思います。
実は、もっと該当するのは、普通の銀行員や証券マンで、彼らこそが「ザ・販売員」と
いってもよい人たちですけどね 笑
これに対して、投資助言業とは、顧客のニーズに合った資産運用プランを提案して、
受託できれば、そのあとのモニタリングとアドバイスを行う仕事です。
(受託した限度金額内の資産運用アドバイスを継続的に行って、顧客の資産が増えるように努めます)
投資助言業が、販売員と違うのは、販売員が自分の所属する組織の商品しか販売できないのに比べて、投資助言業は顧客のニーズに合った商品を、広く制限なく選択し、
顧客にアドバイスして、顧客に買ってもらう点です。
販売員が、所属する組織、または商品を提供する組織から報酬を受け取るのに対して
投資助言業は、顧客からの手数料が報酬となります。
ただし、日本では投資助言業の資格を取得するためのハードルは、やや高いです。
まず、経営者としての経験が3年以上。(どこかの役員、個人事業主でも可能らしい)
投資経験が3年以上。(ファンドマネージャーだけでなく、個人の投資経験でも可能らしい)
事務体制の確立(ミドル・バックオフィス機能などが必要)
コンプランス体制の確立(外部委託も可能)
保証金500万円。
これだけの要件を満たして、しかも財務局の審査を受けて認可をもらうわけですから、
気軽に起業するわけにはいきませんね。
それに、顧客のニーズに合った資産運用プランといっても、顧客のニーズは様々ですし、
例えば投資信託を主体にした提案するにしても、提案書を作るための基礎となる、日本国内の投信データや海外の投信データを入手するには、相応のお金を継続的に支払う必要があります。
そして、入手したデータを、継続的に分析し、顧客に提案するための基礎資料として、
レポート化していくことが求められます。
とてもじゃないけど、一人では無理です。
会社形態にして、しっかりした事業計画と資本の基盤を持つことが、求められます。
顧客として対象になる人も、おそらく資産規模数億円から数十億円、そのうち何千万円から数億円かを、資産運用したいという人になるでしょうね。
そうすると、給与のうちから、毎月数万円をコツコツと積み立てて、自宅購入・子供の
教育・老後資金に充てたいという一般庶民のほとんどは、下手をすると対象外になりそうです。
推測ですが、この対象外になる、多くの一般人に、資産運用アドバイスを普及させることが、
現在金融庁で検討中と伝えられる、金融アドバイザー制度の目的のような気がしますね。
私が会員になっているFIWA(みんなのお金のアドバイザー協会)では、設立当初から、
顧客の立場に立つ、独立した資産運用アドバイスを提供することを目的に、アドバイザー
の募集・支援を行ってきたのですが、今般の金融庁の動きが具体化すれば、FIWAの活動とベクトルが合う可能性が高いと思います。
仮に、金融庁主導の制度ができたとして、世の中にどれくらいのニーズがあるのかは
さっぱりわかりませんが、自分のやってきたことが、多少でもお役に立つのであれば、
それは嬉しいことだと思っています。