11月30日、東京から岡本和久理事長をお迎えして、難波市民センターで、FIWA会員
5名との交流会を行いました。
FIWA(みんなのお金のアドバイザー協会)は、創立後3年を経過していますが、
コロナ禍と重なって、リアルでの交流会開催が難しく、オンライン以外では、岡本理事長を
囲んでの交流会は、実質初めての催しでした。
交流会は午後2時から開始で、内容は「兜日本株価指数」「計量分析ツールの使い方」
及び、岡本さんとの質疑応答(簡単に言えば、雑談です 笑)。
「兜日本株価指数」とは、岡本さんが私財を投じて、明治大学の三谷教授と学生さんたちの協力を得て完成した、明治初期から、第二次大戦の混乱期を挟んで、現在までの超長期の一貫した株価指数です。
交流会では、株価指数の背後にある歴史を学ぶというテーマで、日本という国家のライフサイクルと、株価の関係などについて岡本さんの講演がありました。
岡本さんのお話で面白かったのは、戦前の日本のライフサイクルと、戦後のライフサイクルには類似性がみられる、という点と、日本は衰退期を経て2012年ごろから、次の揺籃期に入っているのではないか?という岡本さんの洞察でした。
次の「計量分析ツール」の講演については、前振りとして、理事の石津さんから、
「金融教育、官民で推進機構、専門資格も新設 24年にも、資産形成の助言役身近に」
という日本経済新聞の記事のコピーが配布されました。
FIWAは金融商品を販売しない、独立したアドバイザーの集まりですが、岸田内閣の
資産所得倍増政策に沿って、独立したアドバイザー業務とはどういうものか?という議論を、
金融庁の諮問委員に任命された岩城みずほ副理事長が、積極的に展開しています。
岡本さんの講演は、岩城さんの活躍の裏側で、「FIWAのアドバイザーとして、
恥ずかしくないように、資産運用の専門知識を飛躍的に高める」ことを目的として
開催されたものです。
講演は、基礎部分として、主な投資理論の簡単な解説から始まって、FIWAのアドバイザリーメンバーである、龍谷大学の竹中教授が中心になり開発した、積立投資を前提にした分析ツールである
「FIWAつみたてインディくん」と、米国で市販されているポートフォリオ
分析ツール(MVO, MCRetire)の使い方と背景の考え方の紹介でした。
岡本さんの考えでは、「FPとして相談者にマネープランを提示するだけでは、
回答は誰がやっても似たようなものになる。
優れた資産運用アドバイスを行うことで、長期で見たら、個々の顧客へのアドバイスの
優劣は明白になる」
というものでした。
私なりに翻訳すると、お客様の背景は、定年前夫婦、シングルマザー、おひとり様など、
色々ありますが、マネープランつまり将来の資金収支を計算する場合には、
まず貯蓄、次に年金などの社会保険、退職金や企業年金、老後の仕事の収入などを計算して
不足部分があれば、家計の改善方法や資産運用で賄う方法をアドバイスするという
スタイルになりがちです。
(私の知らない、画期的な方法でアドバイスされている方もおられるかもしれませんが)
相談者の背景は、それこそ千差万別ですが、将来のお金に絞って考えれば、
たしかにマネープランだけだと、アドバイスの優劣はつけにくいかもしれません。
(単発相談ではなく、人生の伴走者として、継続的に、お金の背景にある部分まで
アドバイスすることで、差別化を図っているFPさんもおられますね)
岡本さんは、ご自身の投資資金運用のプロとしての長い経験から、資産運用でのアドバイスの巧拙が、長期で考えた場合、著しい差異を生むことを実感しておられるので、FIWAの
アドバイザーにも、同様の知識を身につけて欲しいということで、わざわざ来阪されたと
思います。
講演後の雑談会は、FIWA関西発でセミナーをやるなどのアイデアを話し合う場になりました。普段は、会員から岡本さんたちに意見や感想を直接言う機会が、なかなかないので
5名の会員から、それぞれの意見やコメントが出されて、和やかに終了しました。
FIWAに限らず、お互いのリアルなコミュニケーションの重要性と、コミュニケーションを
上手く継続することの難しさを感じた交流会でした。
岡本さん、わざわざご来阪いただき、ありがとうございました。