10月15~16日、福島県と群馬県、新潟県にまたがる尾瀬国立公園に、友人3名といってきました。
尾瀬といえば、我々の世代は「夏の思い出」ですね。
学校で習いました。「夏が来れば思い出す♪、はるかな尾瀬 とおい空~♪」
奈良から尾瀬へ行くには、まず東京へ行って一泊し、翌早朝に東京駅で3人と落ち合って、上越新幹線で上毛高原駅に向かいます。
上毛高原駅から、路線バスで大清水まで約2時間揺られて大清水到着、さらに小型シャトルバズで一ノ瀬まで行きます。
長~い路線バスの途中には、沼田駅前バス停があって、
「おお、真田昌幸の城があったところか!」
大河ドラマファンにとっては、一挙に親近感がわきますね 笑
大清水から一ノ瀬へ向かう道は、真田氏が切り開いた道との説明がありました。
近くに「尾瀬国立公園」の看板があって、(ようやく来たな)という感じ。笑
奈良から見た尾瀬は、一度は行ってみたい秘境という感じで、さらに「寒いところ」の
イメージが強かったですね。
直近の天気予報をみると、天候は荒れ気味で、気温は10度越え程度。
奈良の直近が27度だったので、寒さや雨やと色々心配して大荷物になりました。
これが大失敗!!
(いつも荷物が多すぎて失敗するよなー)
心配性なんですかね?
一ノ瀬からは、尾瀬沼を目指して、まず300メートル登ります。
天気は快晴、気温は、体感で20度超!
暑い!
予報と話が違うやん!!
早朝から電車とバスに長時間揺られた後の、300メートルの急登は厳しいものが
ありました。
おまけに暑いし、重いし・・
と、心の中で愚痴や文句を盛大にまき散らしながら、とりあえずピークに到着。
そのあとは、ゆっくり下りと思えば、ずっと細かいアップダウンが続き、
トレイルランに来ているよう。
登山靴を履いていたので、走れませんが、本人はトレラン気分 笑
我々4人のうち3人は、大学の同級生で40年以上のお付き合い。
そこへ、何故か私が5年前くらいから混ぜてもらって、年に一度くらい山登りをしています。
しかし、コロナ禍と私の病気で、3人に会ったのは3年ぶり。
その間に。3人のうち2人は完全退職し、一人も今月末で自由人になります。
バイト生活は、私だけ 笑
4人の山登りは、通常バラバラです。
2人の元気者が先に行き、あとは一人ずつ。
私はゆっくり派なので、時々もう一人を待ちながら、のんびり尾瀬のトレランを楽しんで
いました。
約1時間で尾瀬沼到着。
尾瀬沼山荘でカレーを食べて、水分を補給したら、尾瀬沼の南側から沼尻を経て、
見晴から宿泊予定の竜宮小屋まで歩きました。
一ノ瀬から竜宮小屋までは、距離約12キロ、累積標高462メートルです。
標高でいえば、一度1700メートル近くまで上がってから、1300メートル近くまで
下りてくる感じですね。
沼尻から竜宮小屋までの道は、木々は美しく紅葉し、秋景色の平原には木道がずっと続いて
別世界に来たようでした。
山小屋はいくつもあるのですが、ほとんどが16日で営業終了。
まさに、我々4人は、今シーズン最後のチャンスに、尾瀬にやってきたわけです。
午後3時前に竜宮小屋に到着。
部屋に荷物を置いて、まずやったことは、屋外のテーブルで宴会 笑
ビールのロング缶が、瞬く間に6本並びました。
ここで初めて、お互いの近況報告。
他の3人は、普段のつながりがあるので、主に私の仕事、病気などの話と、
3人それぞれの退職後の様子や、(FPなので 笑)ライフプランを聞きました。
一人は、今月で仕事は終わるけれど、老親の介護があるので、当面東京に住みながら
月に2度関西に行く。その間は、キャンピングカーで全国を回って、旅行を楽しむ。
もう一人は、自宅を売って、娘夫婦の近くに引っ越して、夫婦で孫の世話。
さらに、東京にいる別の娘のところで、イタリア人の婿と会話。(笑)
三人目は、毎日ジムへ行って、身体を鍛えて、体脂肪10%、10キロ走48分の状態を
維持。ダイビングやパデル(スカッシュのようなスポーツ)もやっている。
ワイワイ話していると、小屋の外を通る人が、いぶかしげに我々を見ていました。
たいていの人は、尾瀬に来て静かな時間を過ごしているのに、うるさい連中やなあ
と思われたでしょうね 笑
寒くなってきたので、最後に熱燗を飲んでから(笑)、部屋に引き上げて、お風呂、夕食、
就寝で一日目は終了。
朝起きると、一面の朝霧。
山小屋のご主人によれば、「今日は年に一度の素晴らしい景色が見られる日。今は寒いけど、
霧が晴れれば、快晴で暑くなるよ」とのこと。
尾瀬ヶ原の湿原を通る、長~い木道を歩いていると、朝霧の中に「白い虹」が見えました。
3人が虹の中に入って、記念写真。笑
湿原の先には、本日登る予定の至仏山が見えてくるはずです。
その前に、振り返れば、水面に移った燧ケ岳が朝もやの中に浮かんでいました。
行きかう人も少なくて、尾瀬ヶ原を貸し切りにしたような贅沢さ。
景色に気を取られて、うっかり木道を踏み外して、下に落ちないように注意しながら
やや急ぎ足で歩きました。
「尾瀬でケガした、なんてかっこ悪いからな 笑」
霧が晴れてくると、伊吹山に似た至仏山が、紅葉と共に視界に現れてきました。
湿原の中の道を、終わりまで行くと、至仏山登山口です。
この辺りの標高は1300メートル。ここから頂上の2200メートルまで、約900メートルを
登っていきます。
この山の登山路の特徴は、なんといっても蛇紋岩です。
ガイドブックによれば、この岩は乾いていても滑りやすい岩で、濡れている場合は、
細心の注意をするように書かれています。
当日は、かなりの部分で濡れていました 涙
本当に滑りやすい岩で、足を置いても体重をかけると、ズルっと滑るので、捻挫や転倒の
リスクがあります。
私の場合は、荷物が重かったので、足元が滑ってバランスを崩すと、荷物の遠心力で
身体が振られて転倒リスクがあったので、しっかりと足元を固めて、一歩ずつ登っていきました。
言ってみれば。体幹訓練でしたね 笑
しかし、山道から尾瀬を見た景色は、まさに絶景でした。
前後の登山者たちも、急登と暑さでバテバテになりながらも、何度も振り返って
写真を撮っていました。
至仏山山頂で4人揃ったら、バスの時間に間に合うように下山です。
下山は稜線歩きですが、途中に小至仏山を含むピークがあります。
そして、濡れて滑りやすい蛇紋岩の連続攻撃!
滑って怪我したり、間違って落っこちないように注意しながら、山道を降りてくると
やがて木道となり、バス停がある鳩待峠に続いていきます。
落ち葉が敷かれたこの道は、尾瀬との別れにふさわしい散歩道でした。
ここで写真を撮っている若い女性がいたので、「撮りましょうか?」と声をかけると
「お願いします!私も撮りますので」というわけで、お互いの写真を撮ったことを
きっかけにして、会話しながら鳩待峠まで向かいました。
「どちらにお泊りでしたか?」
「竜宮小屋です」
「私もそうです。おひとりですか?」
「いや、おじさん4人組です」
「ああ、庭のテーブルにいた!」
「そう、あそこでビールを飲んで、ワイワイ五月蠅かった連中です 笑」
やはり、我々は見られていましたね 笑
鳩待峠に到着すると、先行していた二人が座っていました。
一人が近寄ってきて、「こんにちは、竜宮小屋にいた方ですよね」
(彼女を見ていたらしい 笑)
そのあと、後から来た一人とともに、鳩待峠から尾瀬戸倉まで、乗り合いの車で1時間、
尾瀬戸倉から上毛高原まで路線バスで2時間かけて移動するあいだ、彼と彼女は
合計3時間、ずっと話し込んでいました。
何の話をしているのかな? と聞くともなく聞いていると
初めは、山の話。地域別の登山歴。
テント泊から、キャンプの話。
山の後は、海の話。ダイビングスポットは、モルジブ、セブ、メキシコ・・・・
それが終わると、ペットの犬の話。
初対面のはずなのに、次から次へとよく続くもんだなあ、と大いに感心しました。
上毛高原駅で、自由席で帰る彼女と別れて、我々は東京駅へ。
東京駅で全員解散して、一路家路に。
私は、新幹線を名古屋で降りて、一度は乗りたかった、近鉄特急ヒノトリで大和八木駅経由で自宅に帰りました。
長~い旅路も、ようやく終わり。
素晴らしい尾瀬の景色と、久しぶりに会った仲間たちのおかげで、心楽しい旅が出来ました。
皆さん、ありがとうございました。
また来年お会いしましょう!