先日悩ましい動画を観ました。
決して怪しい動画ではありません 笑
動画の内容は、大企業の管理職で退職して退職金と企業年金をいっぱいもらった人は
むしろ老後人生が破綻するというものでした。
えっ??
なんでそうなるの?
動画の主張はこういうことでした。
会社員の定年後には収入の崖があります。
一つ目は定年後の再雇用で収入減
二つ目は再雇用後の年金生活で収入減
(なお、三つ目にはおひとり様になったときの収入減がやってきます)
しかし、大企業管理職で退職した人は、再雇用と同時に潤沢な企業年金の受給が始まるので
ほとんど収入の崖を感じないそうです。
これがなぜ良くないのか?
普通の人は一つ目と二つ目の収入の崖が、家計見直しの警告となり、
多少とも節約して家計を見直します。
ところが大企業管理職退職者は、潤沢な企業年金をもらっているので危機感がなく、
家計の見直しを怠ります。
退職金も住宅ローンの一括返済や、長く働いたご褒美(?)の世界一周船の旅、または
退職金を原資に投資デビューで損するなどで減少する可能性が大。
どこに問題があるのか?
実は、最近の企業年金は退職後10~15年の有期年金が多いので、60歳で定年退職して70歳から75歳になったときに支給停止になって、収入が激減するのです。
10年以上も先に起こるかもしれないことを、たとえ頭では理解していても、退職直後は
実感が伴いません。
しかし70歳を過ぎたころは仕事を辞めて長い年月が経っていますので、
そこからの再就職はまず不可能でしょう。
したがって激減した収入のリカバリーも望み薄です。
もしかして退職金も気前よく使ってしまっていると、その時点では残り少なくなっているので、慌てて家計を見直して節約を始めても後の祭り・・だそうです。
(あくまで動画の話です)
大企業管理職だった人たちの定年後の再就職は、よほどの専門的知識と経験がない限り
実際のところは現役時代の繋がりが主体です。
しかし繋がりも60歳代後半になると徐々に薄れてくるでしょう。
70歳代を超えると現役で仕事をしている人とご縁のある人は少ないでしょうね。
その点、現場力のある人達は、以前からの現場仕事を続けるだけで、多少収入は下がるでしょうけれど仕事はあります。
同じ仕事なので、プライドも関係ありません。
私の知人は電気関係の資格をいくつか持っているので、70歳を超えても仕事があります。
気に入った現場で仕事をして、気に入らなければ転職してしまいます。
他の70歳前半の知人は、建設関係の経験があって、ボランティアで公園の整備仕事を
しています。
彼の奥さんは保育士の資格を持っていて、60歳代で保育園の補助仕事をして、
園児と触れ合って楽しいそうです。
これらの事例から考えると、高齢になっても仕事がある人は、専門知識と経験がある人です。
つまりプロフェッシナルですね。
会社にいたころは、出世とは縁がないけれど経理や総務でコツコツと仕事をしていた人や
脚立や道具をもって、定年まで現場で地道に努めてきた人が
定年後は長年の経験と身に着いた技術で世の中に重宝されているのです。
まさに定年退職後は管理職だった人と非管理職だった人の環境が逆転しています。
現代風に言えば、高齢になるとメンバーシップ型雇用よりもジョブ型雇用が
ますます優先されます。
人生が「終わりよければすべてよし」とするならば
人生の終わり近くまで他人に必要とされて、世の中に仕事をさせてもらえるほうが
毎日時間を持て余して過ごすよりもしあわせのような気がします。
少なくとも健康にはよさそうです。(笑)