FIREとは、例えば「40歳代で1億円ためて早期退職してゆっくり暮らす」
WPPとは、できるだけ長く働いて現役生活を延ばし、あとは公的年金と私的年金で暮らす
ということです。
このように書くとFIREとWPPは真逆ですね。
文字から受ける印象では、「ウサギと亀」の対比にも思えます。
(FIREがウサギで、WPPが亀です 笑)
普通で考えれば、FIREを達成するために40歳代くらいで1億円以上の金融資産を貯めることは、かなりの難事です。
定年退職後の生活資金に2000万円足りないと心配している人が沢山いるくらいですからね。
でも40歳代で1億円は不可能でも、50歳代ならばできる人はいるかもしれません。
さらに60歳代になれば、老後の必要資金を考えれば、1億円の目途が立っていることが
必要になります。
例えば、年間生活費を300万円として35年生きたら1億5百万円が必要です。
これに対して公的年金が夫婦で月額22万円ならば9240万円が手当てできることに
なります。(人生100年として計算)
つまりあと1260万円の貯金(または退職金)があれば定年退職後の生活は(一時的な出費を考えなければ)
何とかなるのです。
これに対して、例えば50歳でFIREを達成してリタイヤした場合、人生の時間はあと
50年あります。
FIREするには、2億円くらいは必要でしょう。
(50歳から65歳までは家族も若いので、生活費のほかにいろいろなお金が必要です)
仮にお金は十分にあったとしても、50歳からの50年間をどうやって過ごすのでしょうね。
他人事ながら心配になります 笑
普通の人は、幼稚園に入ってから学生を卒業するまでの間は、一日の大部分の時間を規制されて過ごしています。
別の言い方では、常に次にやることが決まっているのです。(決められている?)
朝は7時に起きて、洗面と朝食の後、学校で6時限まで過ごす。
退校してからは、塾通いやスポーツ活動、帰宅して夕飯を食べ、テレビを見て宿題をやってから寝る。
学校を卒業して、就職してからも同じような時間割が続きます。
違うのは、退社してから酒席やデートなどをする時間ができることですが、多忙なビジネスマンならば、そのような時間はままならないでしょう。
例えば50歳まで強く時間規制された生活を続けて、急に自由になったらどうなるのでしょう?
始めは嬉しくて仕方ないでしょうね。
ずっとやりたかったことを片端からやるでしょう。
私なら、まず好きなだけ寝ます 笑
ホントに毎日が楽しいでしょうね。
やりたいことが何かのスポーツで、トレーニングを重ねて大会で好成績をおさめてプロのアスリートやコーチになる。
やりたいことが執筆で、小説やエッセイを書いてプロの作家になる。
こういう方もいると思います。
しかし(多分)たいていの人は、やりたいことをやってみて、飽きるか、才能がないことに気づきます。
実は、これは半分自分のことです。
(FIREできたわけではないので、やりたいことをやったという部分だけです 笑)
定年退職の数年前から、再学習をしたい 小説を書きたい ランニングをやりたい
という希望を持っていたので、片端からやってみました。
再学習では、放送大学大学院を受験して首尾よく合格しました。
国際政治学でスペインの民主化の論文を書いて、情報学ではデータベースの論文を書きました。
2つの論文ともに修了年度の論文集に載せていただいたので、まずまずの成果です。
でもそのあとが続きません。
博士課程も考えて、いろいろトライはしましたが上手く行きませんでした。
しかし学習したことを生かして、最近は著名人の「20世紀スピーチ集」を読んでいます。
現在は1900年代初めの英国の関税同盟の主張をめぐって、当時の政治家の演説を書き写しながら、当時の国際情勢を調べて楽しんでいます。
小説は2冊書きました。
1冊目は、銀行員時代に駐在した米国での不良債権回収の話。
2冊目は、遺伝子関連の起業の話。
書いてみて思ったのは、これを続けていくのは大変だ・・ということでした。
自分の書きたいことを選んで、読者に楽しんでもらえるキャラクターとストーリーを
考えに考えぬくことは、執筆を楽しめる才能と若さと執念がないとできないな・・というのが実感ですね。
でも文章は書きたいので、このブログを書くことにしました。
自分の文章を公開するという意味では、緊張感があります。
3つ目はランニングです。
初マラソンは1995年のアトランタ・マラソンだったので、トレーニング開始から数えたら、もう30年近く走っています。
大きな怪我や故障がなく走れているのは幸運です。
定年前後からは、ウルトラマラソンやトレイルランにも手(足?)を広げています。
このブログでも書いているように、60歳代後半になっても仲間と走る場があり、一緒に山を走ってくれる友達がいるのは幸せです。
私の3つの希望は、残念ながらお金を稼ぐレベルには至りませんでしたが、定年退職後の毎日の楽しみになっています。
しかしこれらが老後の楽しみになるまでには、自分なりに相応の時間とお金とトレーニングが必要でした。
50歳まで必死にお金を貯めてFIREしてから、さあ好きなことをやるぞと思ってやり始めてみても、それまでの投資が不十分ならば、自分自身の経験から想像すると、実益を上げる、または楽しみに感じるまでには、自分が思った
以上の時間・お金・努力が必要になると思います。
FIREとWPPのどちらを選ぶかは個人の自由ですが、私は時間をかけて自分への投資をする傍ら、着実に仕事をして年金保険料を支払い、長期投資で気長に金融資産を積み上げるほうをお勧めします 笑