2月2日、みんなのお金のアドバイザー協会(FIWA)設立記念総会に参加してきました。
この協会は、I-Oウエルス・アドバイザーズ社の岡本和久社長、FPの岩城みずほさん、証券アナリストの原田武嗣さんが中心になって立ち上げたNPO法人です。
協会のビジョンや活動はホームページに詳しく書かれています。
総会の会場は天満橋のドーンセンターでした。
ここはかつて「知的生産の技術研究会」の会員だったころによく来た場所です。
懐かしい!
総会の定員は50名とのことでしたが、ほぼ満員の盛況で、役員の皆さんの知名度と、協会のビジョンに対する関心度の高さが窺われました。
協会が何をしていきたいかを一言でいえば、「いろいろなしがらみから、完全に独立した、資産形成アドバイザーの支援・育成を行う」ことかと思います。
裏を返せば、現実には金融機関とのつながりで、いろいろな金融商品(不動産も含めて)を仲介して手数料をもらっている人が多いということでしょうか?
個人的には、開示された正当な手数料を受け取るのは全く構わないと思うのですが、顧客に分からないところで、アドバイザーが自分でリスクをとることなく多額の収益を上げるのは公平性に欠けるのではないかと考えています。
、
というのは、かつてバブルのころに、金融機関で(例えば)外貨預金をベースにしてスワップやオプションなどのデリバティブを使った商品を開発して営業していたことがあります。
その時の抜き幅(収益額と収益率)は結構大きかったのを覚えています。
僕の相手は国内外の機関投資家(プロフェッショナル)だったので、プロ同士ということで遠慮なく相手に提案していましたが、商品のリスクやこちらの収益率を見抜かれたことも多くて、あまり売れませんでした。
ところがそのような商品を国内の一般法人や富裕層に販売したところ、大きな成果(?)が上がりました。多分金融機関として信用(顧客にとって悪いことはしないだろう)されていたのでしょうね。
僕は横目でそれを見ながら、「金融機関としての信用を切り売りしているようなものだな。
損をさせたお客様に恨まれなければいいけど」と思っていました。
そのような営業を続けた結果が、
「資産運用を金融機関に相談してはならない」とか
「金融機関の言うことを鵜呑みにしてはならない」
と言われることになってしまったわけですね。
つまり金融機関は、大きな収益を得ることと引き換えに、金融機関として最も大切にすべき「信用」を失ったわけです。
果たして「収益」増加と「信用」喪失は釣り合ったのでしょうか?
僕は失ったもののほうが大きかったと思います。
金融機関に勤めていたものにとって、これはとても残念なことでした。
(全部の金融機関がそうだったと言っているわけではありません。念のため)
FIWA設立の趣旨を聞いていて感じたのは、顧客が「信用」できるアドバイザーを支援・育成していきたい、あるいは顧客が「信用」できるアドバイザーを協会が認定することで紹介していきたいということです。
これは、長くて厳しい道のりです。
信用は築き上げるは大変ですが、失うのは一瞬ですからね。
でも、かつて金融機関の信用喪失を歯噛みしながら見ていたものとしては、できればこのような取り組みのお手伝いをしてみたい思っています。