10月28日の日本経済新聞(電子版)マネー研究所に山崎俊輔さんが、「消費税は10%からまだ上がる可能性が高いので、老後の備えとしては2000万円準備しても不十分になるかも」といった趣旨の記事を書かれています。
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO51292700T21C19A0000000?channel=DF260120166518 (20191028 日本経済新聞電子版)
消費税引き上げは重要な問題ですが、消費税よりもっと影響が大きいのに、粛々とあげられているのが社会保険料です。
かつて、毎月の給料と年2回のボーナスの税率は異なっていました。(かなり昔の話です)
それが「総報酬制」に移行して、ボーナスの税金が高くなった時に、「政府は将来の増税を見越して手を打ち出したのでは?」と思った記憶があります。
その後、所得税は上がらなかったものの(僕の収入が伸びなかっただけ?笑)
住民税が増えたように感じました。
さらに、年金をはじめとする各種の保険料の給与明細に占める割合が上がりだして、これは
社会保険料支出でかなり家計が圧迫されるなと危惧しました。
(この文章をお読みの方も、一度ご自身の年末調整票に占める社会保険料の割合をご覧ください。結構な金額だと思いますよ。)
定年退職してフル勤務ではなくなり、それまで給料から天引きされていた健康保険料や介護保険料の支払いを自分でやらないといけなくなって、ますます社会保険料負担が重いのを感じたので、可能な対策があるのかを考えてみました。
多額の収入がある方は「課税所得を抑えること」で税金と社会保険料の計算の基準そのものを下げてしまうのが一番の近道です。
具体的には、公的年金の受給時期の繰り下げですが、年金を受給しなくても生活に余裕がある人は少数派でしょうね。
では節税はどうでしょうか?
現役時代なら財形やイデコなど制度的な節税が可能ですが、定年退職後は有効な節税方法はあまり見当たりません。
それに定年退職して、仕事を探して働いてみると、現役時代に想像していたよりも、実際には収入が大幅に下がるので、節税をする余裕がないでしょうね。
そうすると、定年後でも支出を抑えて、少額でも貯蓄を続けることで、将来の税金や社会保険料の増加に備えることになります。
なんだか夢も希望もなくて、税金や社会保険料を払うために節約するのは、なんとなく本末転倒のような気もしますが、これを考えておかないと、老後に公共サービスが必要になった時にサービスが受けられなくなるかもしれません。
(個人的には、少しづつ危機感が大きくなってきています)
節約に関しては、たくさんの人がたくさんのことを言っていますが、一番大切なのは、毎月の自分の必要支出を知ることです。
「彼を知り、己を知れば、百戦あやうからず」(笑)
夫婦の生活費+娯楽教養費は毎月いくらかかるか?
この「教養娯楽費」という名前の「遊び金」は幾ら欲しいか?
将来生活に必要な費用は何があって、いつ頃払わねばならないか?
簡単に言えば、ライフプランに基づくキャッシュフロー表を作るだけのことなのですが、
できればネットで無料提供されているソフトではなくて、自分で電卓をたたきながら、EXCELに数字を入れていってください。
ライフプラン通りに進む人生は、ほとんど皆無ですので、何度かやり直しをせねばなりません。その時に、自分がなぜここにこの数字を入れたのかを思い出して、改めて考えなおすためには、少なくとも初回は、原始的な手計算をお勧めします。
ライフプランやキャッシュフロー表は万能ではありませんが、少なくとも自分の人生を見つめなおすには、多少でも役に立ちます。
何回か試行錯誤を繰り返すことで、自分の生活パターンとともに思考パターンも自覚できるようになると思います。