国王カルロスはスペインの将来の発展と、王家の安泰のために、立憲議会制国家建設を企図した。
そのためにフランコの郎党(ブンカーと呼ばれる)と戦う人間を物色した。
白羽の矢は野心家スアレスに立った。
スアレスは、フランコ時代に唯一許可された政治運動である「国民運動」担当大臣を務めていた。
彼はフランコ信奉者と見られていた自身の経歴を隠れ蓑に使って、急激な民主化を進めた。
新憲法制定・政党の合法化・民主的総選挙の施行など、どれも軍事独裁で育ったブンカーたちには信じがたい暴挙だった。
中でもフランコの不倶戴天の敵だった共産党の合法化を独断で強行したことはブンカーたちの憤激を買った。
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続きです。