2月18日、フッカー氷河湖までのトレッキングに行きました。
午前9時に宿泊しているハーミテージホテルの売店前に集合すると、竹中直人似のガイドさんが待っていました。
ハーミテージホテルはマウントクック国立公園内の唯一の宿泊施設で、4つ星ホテルです。他にモーテルやシャレ―もあります。
もともとは富裕層のために設立されたリゾートホテルでNZの人たちの憧れの場所の一つです。(ガイドの話)
今回の旅行で飛行機代の次にコストがかかっているところでしょうね(笑)
ホテルの外観は地味で周囲の環境に溶け込んで分からないように建てられています。政府の指導のようですが、やりすぎくらいに環境への大きな配慮が為されていますね。
出発時の天気は晴れ、しかし予報では午後から崩れるとなっていました。
ツアー参加者は全部で8名でした。5名増えましたね。みんなで40分くらい歩いてキャンプ場について、少し休憩してからフッカーバレー・トラックに入りました。
途中で唯一の人工建造物であるアルパイン・メモリアルを過ぎてフッカーリバーに掛かる3つのつり橋を越えていきました。
一つ目のつり橋を過ぎたころにガイドさんが「氷河」というものについて詳しく丁寧な説明をしてくれました。
そこで僕は、先日のミルフォード・トラックを案内してくれたガイドさんが言っていた「マウントクックは見る山で登る山ではない」という言葉の意味を聞いてみました。
竹中似のガイドさんの答えは次のようなものでした。
「サザンアルプスは3000メートル級の山脈が500キロも続く、ヨーロッパアルプスに匹敵するような氷河が削った山脈です。U字型の谷から山頂に登るには切り立った崖を登るロッククライミング技術と氷河を登るアイスクライミング技術が必要です。マウントクックには崖登りと氷河登りの両方があるので技術とともに装備も過重になります。クレパスに落ちて死ぬ人もいるので素人には登れないでしょう」
(分かりました、そんなに脅さなくても止めておきます!! 笑)
「NZの山には一切の標識が無く、日本の山のような階段・鎖場・ロープ・テープなども無いので、登山者は自分でしっかり読図して登らないといけません」
登山道の入り口を示してもらいましたが、何の標識もなく、言われて初めてこれが入り口なのかと思ったほどでした。
いつかNZの山を登ってやろうという野望は、儚く散ってしまいました(笑)
フッカーリバーを遡っていくと昼過ぎにフッカー氷河湖につきました。
残念ながら予報が当たって冷たい雨が降ってきました。マウントクックは霧の中です。
フッカー氷河湖に着いて湖畔に降りると、氷河から流れ出た大きな氷の塊が湖面から見えていました。
元々はフッカー氷河湖から川が流れだすところまで氷河で覆われていたのが、地球温暖化で氷河が後退したようです。
「ニュージーランドへ行けば地球温暖化が実感できるよ」とツアーで会った誰かが言っていましたが、まさにその通りでしたね。
氷河湖をみて同じ道を戻りましたが、ガイドさんに断って、キャンプ場から僕たち二人はケア・ポイントに向けて歩き出しました。
ケアというのはNZにいる「飛べない鳥」の一種ですが、ケア・ポイントは氷河の近くからマウントクックを見ることが出来る眺望ポイントです。
山は霧の中でしたが、明日は帰るので行ってみました。
行ってみるとやはり霧でしたが、一瞬だけマウントクックはその姿を見せてくれました。
「さよならを言ってくれたのかな?」
僕たちは冗談を言いながら、雨の中をホテルまで戻りました。
夕食はまたもラム肉とワインです。
まともな食事はこれが最後ですね。味わって食べました(笑)
トレッキングの疲れと美味しい食事とワインのおかげでぐっすり眠れました。