7月2日、大江英樹さんの新刊「経済まるわかり」のセミナーに参加しました。
大江さんは各種メディアに頻繁に登場する有名人ですが、お話しの本質は
ご自身の考えていることを如何に「わかりやすく」伝えられるかに心を砕いておられます。
今回のセミナーでは、面倒くさいと思われががちな「経済学」について
「知識」ではなく「考え方」を分かりやすく伝えたいという熱意が伝わってきましたね。
このセミナーで大江さんが伝えたかった「考え方」は、大きく分けて3つです。
一つ目は「機会費用」
二つ目は「会計とファイナンスの違い」
三つめは「金融の本質」です。
それぞれについては大江さんの著書やほかの書籍でも学習できますが、
最も大切なことは、学習した知識を実生活のどの場面でどのように使うかだと思います。
例えば「機会費用」
サラリーマンは毎月給料をもらいます。
このお金は自分の好きなように使って良いのですが、使いすぎると足らなくなります。
使う目的は、大きく分けて「現在」と「未来」です。
「現在」とは目の前にある美味しそうな食事や楽しい旅行にお金を使うことです。
「未来」とは、退職後の生活のために貯蓄するとか、子供が出来たならば教育資金に残しておくということです。
「現在」に使いすぎると、その分「未来」にお金を回せなくなります。
(例えば、現在の自分へのご褒美が多すぎると、将来もしも大病した時に医療費や生活費が足りなくなるかもしれません)
「未来」に備えすぎると「現在」の楽しみが減って生活がつまらなくなります。
(例えば、老後を心配して家計の節約をやり過ぎると、夫婦関係を含む人間関係がギクシャクする恐れもありますね)
余程の大金持ちでなければ、一度に「現在」と「未来」を二つとも満足させることは出来ません。
つまり「現在」という「機会」を重視しすぎると「未来」という「機会」にお金を使えなくなり、
「未来」を重視しすぎると「現在」に使うお金が不足するのです。
手元の預金通帳の給与振込額を見つめながら「現在」と「未来」の配分を考えることが「機会費用」という考え方の基礎です。
更に、「機会費用」の基礎になるのは「資源は有限」という考え方です。
「この世のものにはすべて限りがある」などというと、仏教の無常観みたいに聞こえますが、経済学上の真実でもあるのです。(笑)
このような形で「経済学」の考え方のいくつかについて、実生活に応用したらどうなるかを書いてあるのが今回の大江さんの書籍です。
大江さんはこの本を「若い人」向きに書かれたようですが、
これから老後のことを考えようとしている40代50代の方にも参考になると思います。
でも読んだだけで「自分の頭」で考えなければ成果も失敗も生まれなくて、
最終的な成功のために最も重要な「経験」が積めないのはどの世界でも同じですが。(笑)