4月14日、大和八木SGの研修セミナーに参加しました。
題目は「貨幣の歴史から見る仮想通貨とその将来」で講師は大熊信行さん(FP事務所熊家代表)です。
大熊さんのお話は、仮想通貨の基本技術であるブロックチェーンから始まりました。
ブロックチェーンを日本語では「分散台帳型技術」と呼ぶそうです。
一つの組織や取引所がすべての取引を集めて集中的に決済する代わりに、
参加した個人や組織が取引の妥当性を検証して一つのブロックを作り、
次の取引との連続性を確認しながらチェーンのように続けていくところからついた名前です。
一番早く証明した人が報酬をもらうシステムのようです。
基礎となる数理理論は別にして、ブロックチェーンの考え方については、
例えばアマゾンが、自社のHPで表示している商品ページの間違いを見つけた人に一文字/一か所当たりにお金を払い、
沢山の人が小遣い稼ぎをやっていることからもITの世界では普通の考え方です。
1つ(2つ?)の眼よりも多数の眼が正しいし、コストも安く不正も起こりにくいという考え方ですね。
僕はかつて銀行に勤めていたことがあるので、この話を聞くと資金の決済機能について考えてしまします。
今から40年前(僕が銀行に就職したころ)銀行はほとんどすべての決済機能を握っていました。
現金、手形、為替など銀行を通過しないとお金が動きませんでした。
ところが時代の流れとともに、生損保が融資を始め、証券を含むノンバンクが金融業務に乗り出し、
商社金融やコンビニ決済などという言葉も生まれるようになって銀行の決済機能は独占から程遠い状況になりました。
仮想通貨の決済には、今のところ銀行は全く関与していません。
この40年間の金融業界の二つの大きな流れとしては、
間接金融である融資が減少して、直接金融である証券化(流動化)が進んだことと、
先に述べた決済機能の一般化が進んだことではないかと思います。
その結果、銀行を始めとする金融機関の融資は劇的に減少し、
決済機能まで喪失したことで銀行の社会的存在感は大幅に低下しました。
13行あった都市銀行が3つのメガバンクに集約されて、
それでも多いのではないかと囁かれています。
金融庁は地方銀行の再編を進める考えのようですし、銀行業界は仮想通貨を含むfintechの波に呑み込まれそうな印象ですね。
しかし忘れてはならないのは、金融業自体は元来とても大きなリスクを内包するビジネスだということです。
大きなリスクが現実化しても耐えられるように自己資本比率を高くするよう規制がなされています。
現在はこの大きなリスクを内包する金融ビジネスが一般社会に広がっている状態ではないかと思います。
この中を生き抜くには、従来の金融リテラシーとともにITリテラシーが必要になると考えています。
もしかするとこの辺りにフィナンシャルプランナーの存在価値があるのかもしれませんね。