1月の中頃に「フィナンシャルプランナーの誰かに開業の話を聞きたいなあ」と思っていたら、
FB友達で独立系FPの松本真由美さんがセミナー参加者を募集していました。
有名な経済コラムニスト大江英樹さんを招いての小規模セミナーです。
演題は「お金の常識を知らないまま社会人になってしまった人へ」
松本さんに連絡してみました。
「集客が不調だから是非来て!終わったら大江さんとお茶しましょ」
「わかった。行く行く!」
(セミナーは結果的に定員オーバーの盛況でした。笑)
2月初めの早朝に松本さんからメッセージが入りました。
「全盲のCFPの方のセミナー参加希望があって、来場のためには介助の人が必要なのですが、沿線の上山さんにお願いできますか?」
マラソン大会で視覚障害者に伴走しているランナーを見慣れていることもあって、直ぐに応諾しました。
妻に言うと「それは良いこと!でも初めて介助をするのならば、その人にとって適切な介助の仕方を、会った時に最初に障害者の人に聞いたほうが良いよ」とアドバイスをもらいました。
Tさんとは2月11日正午に近鉄上本町駅の改札で待ち合わせました。
改札口で待っていると向こうから長身のTさんが白杖を突きながらやってきました。
「初めまして、上山です」
「Tです。今日は宜しくお願いします」
誠実そうな印象の方です。
早速妻に言われた通り「どのようにしてサポートすればよいでしょうか?」と聞きました。
「右腕で白杖を持つので、左側に来てもらって僕があなたの右肘を持つ形でサポートしてもらえますか?」
明確に言ってもらうと介助する側も楽ですね。
時間が早かったので、駅の立ち食いそばで軽く昼食を済ませて会場に向かいました。
点字ブロックの上を歩くのですが、ブロック上でスマホを見ている人などが、僕たちを見て避けてくれます。
途中でTさんからいろいろな話を聞きました。
Tさんは5年前に完全に失明したそうです。
完全に視力を失う前に社会保険労務士の資格をとりCFP試験にも合格していたとのことで、幸いにも失明後も引き続き同じ会社の人事関係の部署で働いています。
Tさんの口調から自立して生き抜く強い意欲が感じられました。
そのほかにも盲導犬や点字の話なども教えていただきました。
会場に着いて椅子に座って休憩していると、講師の大江さんが機材と資料を持って奥さんの加代さんと部屋に入ってきました。
大江さんは気さくな方で、会場の設営なども自ら動くことが多いので、こちらも思わず立って手伝いました。
主催者の松本さんも笑顔で迎えてくれました。
大江さんのセミナーが開始されました。
お金とは何か?⇒感謝のしるしである。から始まる90分のセミナーです。
お金の本質は何か?⇒信用である。
お金を増やすにはどうすればよいか?
働いて稼ぐ力をつける
基本的なお金の習慣を身に着ける
資産運用を考える
保険の本質は何か?⇒損をするものである
億万長者がやっていることは?⇒収入以上に使わないこと
聞きなれた大江節が炸裂しました。
流れる様な話しぶりで、60枚ものスライドがあることを全く感じさせません。
そのあと松本さんが独立系FPとして心がけていることを30分話しました。
独立系FPとは?⇒顧客の利益を最大化するアドバイスを有料で行う人である
セミナーの後は有志で懇親会に行きました。
Tさんと大江さんは2年前くらいに知り合いました。
Tさんは大江さんの話を直接聞くのを楽しみにしていました。
講演中は何度も笑顔で頷いていました。
(講師の対面に座っていたので大江さんにも見えていたと思います)
大江さんはTさんの心を知って、懇親会のテーブルでTさんの向かいに座ってくれました
二人は1時間以上楽しそうに話し込んでいました。
懇親会の帰りにTさんに聞くと「大江さんとゆっくり話せて本当に良かったです」と喜んでいました。
僕も当初の目的であった松本さんからFP開業について沢山のことを教えてもらうことができました。
僕にとっては、初めて障害者の介助を行い、大江さんの練達のセミナー術を聞いて、独立FPについて学ぶことができた貴重な一日でした。