1月28日、FP協会奈良支部傘下の大和八木SGの研修会で、弁護士の射場守夫さんの講演を聞いてきました。
テーマは「FP業務と民法・個人情報保護法改正」です。
民法の施行日が2020年4月1日とかなり先なのですが、法律の改訂が多岐に渡り、しかも細かいので時間をかけて理解していくことが大切とのお話しでした。
講演の資料は合計でパワーポイント77枚にも及ぶ大作なので、ほんの少しだけ内容をお伝えします。
民法の条文は1000条以上ありますが、少し前までは700条くらいまで漢字とカタカナで書かれていました。
(現在は表記はひらがなと漢字になりました)
つまり内容は第二次世界大戦前からの歴史を引き摺っているいる法律ですね。
戦後も時代に合わせて細かく改正を重ねてきましたが、今回は現代社会の大きな変化に合わせて大幅に改正します。
改正の内容は、①時効 ②法定利率 ③売り主の担保責任 ④契約解除制度 ⑤定型約款 ⑥保証制度 ⑦債権譲渡・債務引き受け など日常生活に関わることばかりです。
この中では、ざっくり言って時効が10年から5年になります。
短期消滅時効(医師や弁護士、工事に関する債権など)が削除されて5年に統一されたわけです。
(例外もありますので注意して下さい)
また民事法定利率が、従来の5%から低金利に合わせて3%で変動制になります。
(変動の仕組みが少し複雑ですが)
そのほか保証についても、個人根保証制度が創設されます。
まだまだ書ききれませんが、諦めて次に移ります。笑
法律の施行は2017年5月30日でした。
既に実施されているので日常の気軽な雑談にも「個人情報」という言葉が頻繁に出てくるようになりましたね。
改正の大きな変化の第一は、法人はもちろん個人経営の事業者はすべて規制の対象になることです。
個人情報とは、大まかに言えば「容易に個人を識別できる、体系的に整理されたデータ」です。
例えば同窓会の幹事さんが所有している名簿も個人情報になって規制の対象です。
個人情報取扱業者は、個人情報の利用目的をできるだけ特定して、
情報提供者に通知または公表しなければなりません。
(これにも例外が。詳しくはご自身でお調べください)
この法律も詳細を書けばキリがありませんね。
FP協会が実施するCFPエントリー研修でも個人情報保護については何度も繰り返して注意喚起がありました。
10年以上前ですが、僕は銀行にいたころは個客の個人情報が流出することには神経を尖らせていましたが、個人情報を利用して営業することにはあまり抵抗感が無かったように思います。
それでも「夫婦といえども個人情報は個別に扱って相手に知らせない」くらいの意識はありました。
銀行は大きな組織なので、個人情報保護や情報の使用に厳しい制限を設けていて、監視も厳しかったのですが、個人で自営する場合にどこまでの体制を作るかが課題ですね。
今朝の新聞によれば、仮想通貨大手の事件では、ネットに接続したままで管理していたことが批判されているようです。
個人情報の管理のためだけに、ネットから切り離したパソコンを一台当てるのは理想ですが、コストを考えれば個人では大変だなという気がします。
機会があれば、独立FPの皆さんが実際にどのように個人情報を管理しているか
をヒヤリングしたいなと考えているところです。