11月15日に作家の門井慶喜さんの講演を聞いてきました。
演題は「幕末の大阪、明治の大阪」です。
お話の端々から、大阪を愛しておられるのが伝わってきます。
(関東地方のご出身ですが 笑)
かつては「天下の富、7分は浪速にあり、浪速の富、7分は船中にあり」とまで言われたかつての大阪への強い想いを感じました。
お話の内容は、幕末の徳川家茂や慶喜などの将軍と、西郷隆盛、大久保利通、木戸孝允、板垣退助などの明治の元勲の大阪との関わり合いが、面白いエピソードとともに紹介されました。
門井さんは、京阪沿線にお住まいなので、なんでも京阪電車の駅に例えると分かりやすいそうです。
例えば、「鳥羽伏見の戦い」は現在の丹波橋・中書島辺りなので「丹波橋・中書島の戦い」と言い換えると臨場感が出るそうです。
さらに出てきたのは天満橋です。
ここは幕末には「八軒家浜」と呼ばれていたそうです。
天満橋のすぐ近くは海だったので、多くの人たちがここを通って船に乗り込んで移動していきました。
有名な新選組の話もありました。新選組は京都の壬生が本拠ですが、大阪の(今でいうところの)南堀江の辺りに支部を作ったそうです。
あの辺りは豪商の倉庫街で、商家から上納金を集めて、活動資金を潤沢にした結果、大勢の隊員を雇い池田屋事件などを起こしたそうです。
「大塩平八郎の乱の実態と見方など、参考になる話はいっぱいありましたが、
僕が最も関心があったのは「作家の見方」でした。
作家は歴史家ではありません。しかし行っている作業は似たようなものです。
異なるのは、歴史家が史料の中から新説を導き出し、他の史料などで証拠固めをするのに対して、作家は少ない史料の中から想像力を働かせて架空の話を作ってしまうことです。
条件は「本当らしく見えること」、
でもこれが結構難しい。自分が生きてもいない時代のことを、まるで見てきたように書くというのは、やはり才能でしょうね。
門井さんのお話を聞いていると、150年前の様子が昨日のことのように聞こえました。恐らく門井さんの頭の中では、昨日のこととして認識されているのではないでしょ